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元関東連合・柴田大輔が明かす“いびつな絆”の核心「見立君と僕は光と影だった」

「連合経費を管理していた」

関東連合――ITビジネスも、関東連合の仲間と起こしていったのですか? 柴田:暴走族仲間や地元の後輩もいましたが、事業が大きくなるにつれ、仕事の面で関東連合メンバーと組むことは少なくなっていきました。逆に、それまでは会わなかったような、暴走族時代とは違う「フツーの人」もどんどん紹介してもらい、一緒に働くようになって。正業にとことん真面目に取り組むようになりました。  そこでは関東連合の看板なんて使えません。優秀な営業マンを自社に引っ張ってくることが僕の大きな役割でしたから。それでいて、関東連合のメンバーが事件を起こすたび、弁護士費用や示談金を支払う役目は負ってきました。  見立君たちからすれば、「柴田だって、関東連合の名前で粋がれているんだから、支払うのは当たり前だ」という理屈だったのでしょうが……正直、相当な温度差が生まれていった。そりゃ、少年時代からの仲間ですから、自分にできることはしてきたつもりです。でも、本音では「連合カンパなんかするくらいなら、社員の給料を上げてやりたい」と思っていた。  ある時期から、「連合経費」という身内から集めたカネを、僕を含めた「正業で食べてる人間3人」で管理していたんです。抗争の準備、事件の解決にかかるカネ、放免祝いなどに充てられるという建前でした。ところが、実際にはプールしたカネの中から、見立君の家賃やクルマ代が支払われていた。僕はこうした内情を知っていたから、他のメンバーより冷めていた部分があったのかもしれません。 ――見立容疑者は、お金を持っていなかった? 柴田:野球賭博や仕手戦で溶かすまでは、一番持っていたはずですよ。見立君も最初から“裏”で生きていくと決めていたわけではなくて、お偉いさんの運転手をやっていた時期もありました。だけど長くは続かず、どこかで「表社会で生きていくのは無理だ」と悟ったのでしょう。  最初は身内への個人貸しから始まり、闇金融に手を染めていった。すでに闇金で働いていた人間を引っ張ってきたり、既存の業者に後輩を潜り込ませてノウハウと顧客名簿ごとかっさらったりして、自分のグループを築いていった。闇金をやる、と決めてからのスピードは、ものすごいものがありました。  多重債務者詐欺をやっていた頃は半端じゃない利益をあげていました。闇金で借金した客って、自分がどこから借りているかなんて分からなくなっているじゃないですか。それをいいことに、貸してもいない相手に返済を迫る。このときは月に3億円のあがりが半年続いた、と聞いています。「30歳までに100億円持つ」と当時の見立君はよく口にしていたけど、「この人なら実現するだろう」と思っていました。
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