「坂田亘アニキに届いてほしい…」ハッスルを看取った男・若鷹ジェット信介の胸中【最強レスラー数珠つなぎvol.5】
――いま、プロレスは好きですか?
ジェット:尊敬はしています。プロレス界は嫌いですけど(笑)。プロレスというコンテンツの可能性は分かっています。
――この連載では「強さとはなにか」を探っているのですが、強さとはなんだと思われますか。
ジェット:正直であることだと思います。格闘技的に強い人なんて世の中にたくさんいて、プロレスが最強かというのは、質問自体がナンセンスです。それよりも人間力だと思います。キツい練習をして、試合後も遅くまで片付けをして、それでもお客さんに楽しい思いをして帰ってもらいたいというのも、一つのしっかりとした強さだと思うんです。もちろん、すごい強い人もいますよ。それこそ今日出場してくれた石川(修司)さんなんて、体が大きくて着ぐるみに入らない人、初めて見ましたから(笑)。いろんな種類の強さがあると思うんです。今日は石川さんよりえび天のほうがお客さんの印象に残ったと思うんですけど、だったらえび天のほうが強いんじゃないかなと僕は思います。
――ありがとうございました。では次の最強レスラーを指名していただけますか。
ジェット:石川修司選手を。えび天のほうが強いと言ったばかりですが(笑)。どこの団体にも所属せず、社会的政治力が一切ない中、実力だけでのし上がってきたレスラーです。195cm、130kgの巨体という意味でも、非の打ち所がないです。
「プロレスに絶望している」――そう話しながらも、ハッスルにこだわり続けてきた若鷹ジェット信介。きっとこれからもずっと、絶望と希望の間でプロレスと向き合っていくのだろう。そして彼にとってプロレスが“夢の形”であることに、変わりはないのだろうと思う。
(取材・文/尾崎ムギ子 撮影/安井信介)
【PROFILE】
若鷹ジェット信介(わかたかジェットしんすけ)/ランズエンド所属。‘77年4月14日、福岡県福岡市生まれ。ZERO-ONE生え抜きとして、’02年5月21日、高岩竜一戦でデビュー。長期欠場、海外・国内武者修行を経て、一時引退。復帰後、「ハッスル」に携わる。’10年、坂田亘が旗揚げした「ハッスルMAN’Sワールド」に参加。飲食事業を展開する傍ら、ハッスルMAN’Sワールドを継承し活動を行ってきたが、’16年12月19日、解散を発表した。
尾崎ムギ子/ライター、編集者。リクルート、編集プロダクションを経て、フリー。2015年1月、“飯伏幸太vsヨシヒコ戦”の動画をきっかけにプロレスにのめり込む。初代タイガーマスクこと佐山サトルを応援する「佐山女子会(@sayama_joshi)」発起人。Twitter:@ozaki_mugiko
【大会情報】
■ランズエンド6新木場大会
2017年3月1日(水)
■ランズエンド7新木場大会
2017年6月14日(水)
問い合わせ(株)エクスカリバー 03-6421-5921
■撮影協力:うまかもん若鷹
住所:東京都品川区中延2-8-13 佐藤ビルD号
TEL:03-5498-7347
HP:http://umakamonwakataka.com/
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