「坂田亘アニキに届いてほしい…」ハッスルを看取った男・若鷹ジェット信介の胸中【最強レスラー数珠つなぎvol.5】
「最強レスラー数珠つなぎ」――毎回のインタビューの最後に、自分以外で最強だと思うレスラーを指名してもらい、次はそのレスラーにインタビューをする。プロレスとはなにか。強さとはなにか。この連載を通して探っていきたい。
2007年、大晦日。全国ネットで「ハッスル祭り2007」が放映された。高田延彦、グレート・ムタ、天龍源一郎、ジャイアント・シルバ・・・・・・。名だたるレスラー陣に加え、豪華キャスティングの芸能人たちがリングに上がり、年の暮れの日本を熱狂させた。ハッスル全盛期のことだ。その後、人気は次第に下降。ハッスルは消滅したかに思われた。しかし、まだ終わってはいなかった。さいたまスーパーアリーナで“ハッスル最終回”を実現すべく、2人のレスラーが「ハッスルMAN’Sワールド」として活動を続けていたのだ。その2人とは、若鷹ジェット信介と、UEXILE。
今月19日、ランズエンド新木場大会にて、ハッスルMAN’Sワールドは突然の解散を発表した。東京の片隅でひっそりと、ハッスル最終回は執り行われた。ハッスル“最後の最後”の日、リーダーである若鷹ジェット信介はなにを思ったのか。
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【vol.5 若鷹ジェット信介】
――ハッスルでは、とある覆面レスラーの正体だったとか。
若鷹ジェット信介(以下、ジェット):そこら辺は濁しておいてください(笑)。一応、広報という役割でした。ハッスルが先細りしていく中で、最後に残ったのが僕らなんです。歴史を説明すると語りきれないくらいの出来事があって、なんだかんだで僕らが最後、“看取る”という形になったんですよね。
――ハッスルMAN’Sワールドはどのような活動を?
ジェット:僕らの世界観、僕らのやりたいことを、ランズエンドの興行の中に組み込んでやっています。これまで活動の場がなかったのですが、崔(領二)さんがランズエンドを立ち上げてから、僕らの出し物をやらせてもらってきた感じです。
ジェット:プロレスというものに、ある種、絶望しているんですよ。どの程度のものかというのは、15年やってきて分かっています。語弊があるかも知れないんですが、プロレスってホントにだれでも出来るし、だれでも手に触れられるコンテンツになってしまっているんです。じゃあ、果たして僕がやっていていいのか、やるべきことなのか、それなりに葛藤があるんです。そんな中で、やっぱりお客さんには笑顔になってほしい。だれよりも強いとか、ベルトが欲しいとか、そんなことはもうなにも思っていません。僕を見に来るお客さんはごく一部だという自己評価はあって、じゃあ、来てくれたお客さんがどれだけ面白いと思ってもらえるかをテーマにしているのが、ハッスルMAN’Sワールドです。
――「だれでも出来る」というと、ハッスルで芸能人がリングに上がっていたことだったり?
ジェット:それも一つですよね。でもインリン(・オブ・ジョイトイ)さんなんかは華やかだし、真剣じゃないかと言ったら、真剣でしたよ。すごく練習もされていました。それよりもいい例は、UEXILEです。プロレスをやると決まった次の日にデビューしましたから。学生プロレスをやっていて、受け身は一応取れるし、いい体をしているということで。でも僕は「そういうことじゃないよ」というのがあったので、UEXILEには敢えて強い対戦相手を当て続けたんです。“世界の強豪シリーズ”というのをずっとやっていたんですけど、素人が調子に乗るとこういうことになるというのを言いたくて、世界チャンピオンのような人たちと試合をさせました。
尾崎ムギ子/ライター、編集者。リクルート、編集プロダクションを経て、フリー。2015年1月、“飯伏幸太vsヨシヒコ戦”の動画をきっかけにプロレスにのめり込む。初代タイガーマスクこと佐山サトルを応援する「佐山女子会(@sayama_joshi)」発起人。Twitter:@ozaki_mugiko
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【大会情報】
■ランズエンド6新木場大会
2017年3月1日(水)
■ランズエンド7新木場大会
2017年6月14日(水)
問い合わせ(株)エクスカリバー 03-6421-5921
■撮影協力:うまかもん若鷹
住所:東京都品川区中延2-8-13 佐藤ビルD号
TEL:03-5498-7347
HP:http://umakamonwakataka.com/
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