タフエスト・サナバビッチは“P音”にあらず――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第282回(1998年編)
ビンスはリング上でストーンコールドに尋問にかけられ、さらに着ていたスーツをビリビリに破かれた。首に故障を抱えたまま“自己責任”で現場復帰を果たしたストーンコールドは、基本的には“ロウ”(の番組内)では試合はやらない。この“限定出場”という設定がストーンコールドにさらに特別なステータスに与えた。
ストーンコールドの別名は“ザ・タフエスト・サナバビッチThe toughest son of a bitch(最強ケンカ野郎)”で、タイソンのニックネームは“バッデスト・マン・オン・ザ・プラネットThe baddest man on the planet(地球上でいちばんのワル)”。
いわゆるアダルト・ランゲージのなかで“ファック”だけは明らかにオンエアできない単語だが、“サナバビッチ”はギリギリのライン。タフエスト・サナバビッチはストーンコールド自身がみずからをそう形容している(という解釈の)ため、ビッチbitchの部分にもP音による音声処理はほどこされなかった。
毎週月曜夜の“ロウ”は生中継番組のようにみえて、じつは“7秒ディレー”の録画だった。ストーンコールドがヤバいことを口走ってしまった場合は、現場のディレクターが7秒以内にその場でP音をかぶせるという措置がとられた――。 (つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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