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「保育園落ちた日本死ね」から1年…保育園に子どもを入れられた親たちのその後

 現在は共働きの時代。夫の収入減によって、妻も働かなければ子どもを育てていけないという状況に陥っている世帯も少なくない。にも関わらず、深刻な保育園不足のために子どもを預けられず、仕事を辞めざるをえないという矛盾……。  昨年2月15日の“はてな匿名ダイヤリー”に投稿された「保育園落ちた日本死ね」。これにより待機児童問題が浮き彫りになった。  そんなおり、記者(山田門八)の妻にも妊娠が発覚。現在は3か月目、保育園をどうするのかが現実となって立ち塞がった。ちなみに、記者にとって恥ずかしながら専門外のテーマであり、真剣に調べたことはない。そこで、これからパパになる身として向き合ってみることにした。 保育園

「#保育園落ちた2017」問題とは

 まず、認可保育園の合否の発表は、2月中に行う自治体が多い。どうやら認可保育園の合否はポイントの加点式で決まるようだ。評価基準は自治体によって異なるが、「父母ともにフルタイム」「祖父母が遠方」など。だが、実際あまりに厳しい競争率に、就活ならぬ「保活」という言葉まで誕生。ネット上では、子どもを入園させるためのテクニックまでが取り沙汰される始末……。  話題の投稿から1年が経過した今も、「#保育園落ちた2017」のハッシュタグを使ってSNSを検索してみれば、様々な悲痛の声が聞こえてくる。なかには、その競争率だけでなく、女性が働きにくい仕組みに言及したものまで見られる。
<子供産んでほしいのに働けなくしてるの意味わからないし、「夫婦ともにフルタイムじゃないと」ってさ、妊娠出産前から正社員だった女性以外は結局社会復帰できない仕組みなのね>(※Twitterのコメントより引用「@___sa___ra 」)
 東京都内の携帯ショップでパート店員として働く新米ママのMさん(24歳)はこう嘆く。 「近くの保育園は全落ち。知人の子どもはすぐに保育園が決まっていたのに……。もうどうしたらいいのかわかりません」  Mさんは以前、正社員としてメーカーで広報の仕事を務めていたが、メディア制作会社に勤務する現在の旦那(31歳)と知り合い結婚。妊娠と共に寿退社した。だが、現在は共働きながらも生活はギリギリだという。とはいえ、メーカーの仕事に正社員で戻ることはできない。広報担当は勤務時間が不規則になることも多く、入稿作業などがあるときは夜遅くまで働かなければならない。旦那も不規則なメディア制作の仕事をしている以上、とてもではないが、子どもを育てながらではできないという。  では、フルタイムの共働きならば認可保育園に入れるのかと言えば、そうでもない。このような声も見られる。
<保育園落ちた。フルタイム共働きで、第8希望まで書いて、0歳児で全落ち。区内に認証園はほとんどなく、落ちても行く先がない>(※Twitterのコメントより引用「@TRLVMAM」)
   そもそも、なぜ多くの人が“認可”保育園に子どもを入れたいのか。“認可外”保育園は私立(民間)の運営となるため、保育料が総じて高め。また、教育方針や保育士の雰囲気なども施設によってマチマチなのである。とはいえ、デメリットばかりではない。  保育時間の融通がきくことや休日預かりをはじめ、対応の幅が広い。共働き世帯にとってはうれしいメリットも多いのだ。  前出のMさんは悩んだ挙げ句、自宅から少し離れた地域にある認可外の保育園を視野に動いているそうだ。
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その後、保育園に子どもを入れられた親たちは…
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