更新日:2018年04月26日 23:05
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自衛隊は外国の攻撃から民間人を守ってくれない!? 国民を保護しないで一体何をするのか?

「自衛隊ができない30のこと 06」

外国の攻撃から自衛隊は民間人を守ってくれない!?

※陸上自衛隊HPより

 東日本大震災のとき、自衛隊は余震が続く最中に被災地入りして、多くの人を誘導し、救助しました。何か大きな事故や事件があったときには、いつも国民に寄り添うように自衛隊がいてくれる……そんな光景に私たちは慣れっこになっています。何かあれば自衛隊が助けてくれる、困ったら自衛隊が手を差し伸べてくれるから大丈夫だ。日本人の大多数はそう考えていると思います。  しかし。災害時には手を差し伸べてくれる自衛隊も、日本国が武力攻撃を受けるような国家存亡の危機には、私たちのそばにいることはできません。国防を担う自衛隊は、有事には一般の住民たちの保護にまで手が回らないということを私たちは自覚しておかないといけないのです。 「国民を保護しないで一体何をするのか?」と疑問に思う人もいるでしょう。お答えします。  自衛隊は我が国に武力行使をする敵に対して迎撃もしくは武力行使するために出撃し、敵の攻撃から重要な拠点を守るために配備されています。  その重点拠点とはまず原子力発電所、空港、通信や電気、ガス、水道、交通インフラなどが想定されます。日本国を強力に支援してくれる同盟軍、米軍基地なども相互に警護する対象です。市民生活のために守り抜かなければならない場所は多数あります。たとえば、原子力発電所が停止している今、発電のためには大量の化石燃料が必要ですが、その海上輸送の安全も脅かされている状況なら護衛が必要になるかもしれません。もちろん、戦闘が行われている場所で敵を食い止めている場合もあるでしょう。ただでさえ充足率の不足が指摘されている自衛隊に、一般市民の避難誘導にまで対応できる余裕はないと思われます。 riri05 北朝鮮のミサイル問題、核兵器開発問題はさらに深刻度を増しています。4月21日、首相官邸の菅官房長官の記者会見では、有事などを含めた緊急速報の「Jアラート」の広報をしました。その後、地方自治体の国民保護担当者を集め、緊急時の避難計画策定の説明会を開催することが発表されました。有事の避難や国民の救助、情報収集などは、国と連携しつつ地方自治体が中心となって行うことになっています。戦後初めて、各自治体に有事の国民の避難対応に真剣に取り組むよう呼びかけた内容となりました。  有事に国民を保護する方法は「国民保護法」で決められています。想定される危険はテロリストや諸外国からの侵略目的の着上陸や弾道ミサイルの着弾、ゲリラ特殊部隊の攻撃、航空機からの攻撃などです。これまで自治体は、自然災害時と同程度の感覚でしか有事の国民保護を考えていませんでした。  有事には自衛隊に頼らずにどう対処するのか。国や地方自治体だけでなく私達一人ひとりが本気で考え計画しておかないと危険です。  日本国が外国からの侵略や攻撃にあう時は、同時に、市街地などでもテロや拠点への攻撃が行われる可能性があります。自衛隊が守っている拠点であれば自衛隊が対処しますが、そうでない場合は、警察と消防と地方自治体の公務員だけで対処するしかないのが前提です。地方自治体の主な役割は赤十字社等と協力しての医療の提供や避難物資・情報の提供等とされていますが、有事に起こる問題はそんな通常の自然災害とは異なります。
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日常空間での身近な避難場所についても考えていくべき
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おがさわら・りえ◎国防ジャーナリスト、自衛官守る会代表。著書に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)。『月刊Hanada』『正論』『WiLL』『夕刊フジ』等にも寄稿する。雅号・静苑。@riekabot


自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う

日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる……


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