学習塾講師のブラックな実態――授業料は高くても低賃金。講師が営業まで兼務する…
ひと昔前までは集団授業が中心だったこの業界にあって、各社とも力を入れているのが、個別指導だ。売上高の比率で見れば、いまや全体の8割を超えている。
だが、塾業界の成長エンジンを担っているこの業態には疑問の声が多い。個別指導塾事務局長の坂倉昇平氏もその一人だ。
「学生を低賃金で働かせて、高い授業料で利益をあげるビジネスモデルです。集団塾講師の時給は2000円を超えますが、個別指導塾講師では1200円程度。マニュアル通りに生徒に付き添っていればよく、学歴も問われません。高度な勉強を教えることは求められず、子守に近い場合まであります。勉強したい生徒が多いわけではないので、丁寧に教えようとすると、かなり大変です」
学生時代に個別指導塾講師のアルバイトを経験し、今春から正社員の塾講師として働き始めた戸山彩さん(仮名・24歳)にも話を聞いた。
「学年も性別も違う生徒2~3人の授業を講師1人で担当するので、ある程度生徒の能力を把握していないと授業にならない。授業準備には給料が出ないのに、始業の1~2時間前に出勤するのが常態化していました。しかも自分の担当授業が終わっても、他の全生徒の授業が終わるまで帰れない。時給換算すると500円くらいでした」
わずかワンコインで自分の時間を切り売りさせられている人間を、親も生徒も「師」と仰ぐ。そんな世界はまともだろうか。
<ブラック化する3要素>
・経営側からの人件費削減圧力強化
・講師への「営業力」要求
・低賃金形態への急転換
― [教師・警察官・僧侶]のブラック労働が止まらない ―
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