更新日:2022年08月31日 00:50
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肩パッド、DCブランド、丸井の赤いカードでローンを組む…80年代若者のファッション

山田ゴメス

山田ゴメス

ゴメス:ファッション、食事、クルマ、とにかくお金の使い方が歪だった。背伸びという言葉がまさにピッタリで、誰もが大なり小なり無理してモノを買ってました。「食うのに困っても洋服を買う」「電気を止められてもデートでイタメシ(※6)を食う」といった価値観が当たり前だった。 石原:「それでもなんとかなる」という楽観的な空気は、たしかに流れてましたね。みんなすごく稼いでいたわけでもないのに、値札もチェックせずに買い物三昧。おそらく今の若者とそんなに給料は変わらなかったはずなんだけど。 マイケル:なんだったんだろうね、アレは。どんなに散財しても、なぜか怖くなかった。 石原:誰しも「来年は今年よりも給料が上がる!」という妙な確信を持っていましたね。そして「5年後、10年後が今より悪くなるわけがない」と根拠もなく信じていた。だから、貯金がなくても、不安なんか一切なくて。 (※1)DCブランド 80年代に社会的なブームとなったDCブランドは、デザイナーズ&キャラクターズの略のこと。最盛期は、DCブランドの店舗が入る丸井やPARCOのセールには、前日から長蛇の列ができるほどだった。こうしたDCブランドブームは、バブル景気の高級ブランドブームやボディコンブームによって、終焉したといわれる (※2)肩バッド 当時は「どれだけ肩がいかっているか」で財布の中身までもが推測されていた。まだ前近代的な日本人体型が多かった当時の男たちにとって、肩バッドを入れた服を着ることによる、逆三角形体型や小顔に見えたりする効果もありがたかった (※3)タカキュー 当時は無難なスーツセットやコートが比較的安価で購入できたため、大学生や安月給の新入社員などから重宝されていた。1995年にジャスコ(現イオン)と資本・業務提携 (※4)コント赤信号の「丸井だぜ!」 コント赤信号の兄貴ネタコントの定番ギャグ。最初に登場した石井と小宮がリーダー渡辺を「兄貴~! 兄貴~!」と呼び出す。その後、リーダーが「待たせたな!」という台詞とともに、もったいぶって登場。石井と小宮が「レイバンのサングラス、サンローランのジャケット、BIGIのパンツの兄貴のいでたちをほめまくるなかで、「兄貴、これだけ揃えるには、ずいぶん高かっただろうな?」というと、すかさずリーダーが胸の内ポケットからカードを取り出し、「丸井だぜ!」といって自慢するというギャグだった (※5)家賃3万円のボロアパート 当時は港区や渋谷区、目黒区あたりで駐車場を借りるほうが、ボロアパートの家賃よりも倍以上高かった (※6)イタメシ イタリアンレストランのこと。イタリアの「イタ」と食事の「メシ」をくっつけた造語。現在では「死語」「ダサい言葉」の代表格とされている 【マイケル富岡】 1961年米国ニューヨークでアメリカ人の父と日本人の母の間に生まれる。ハイスクールの頃から、モデルとして活動。1985年「MTV」のVJに起用される。音楽分野のほか多くのバラエティ番組で活躍する一方、NHK大河ドラマ『信長』に明智光秀役で出演するなどマルチタレントとしても活動。イベント司会など広い分野で活躍する 【山田ゴメス】 1962年大阪府生まれ。ライター&イラストレーター。画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション、音楽、美術評論まで精通。『日刊SPA!』でゴメス記者として多視的なコラムを配信中。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)、『クレヨンしんちゃん たのしいお仕事図鑑』(双葉社) 【石原壮一郎】 1963年三重県生まれ。コラムニスト。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。『大人の女養成講座』『大人力検定』『大人の合コン力』などなど、大人をテーマにした著書を多く発表し、メディアで活躍。日本の大人シーンを牽引している。「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」も務める 構成/80’s青春男大百科編集部 撮影/林紘輝(本誌) ヘアメイク/久野友子
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マイケル富岡、向谷実ほか80年代を象徴する人物たちの貴重な証言。さらにはカルチャー、アイテム、ガジェットで、世の中がバブル景気に突入する直前のあの時代を振り返る!

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