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自衛隊の基地警備力はザル…「日本が核兵器を持てない理由」



 ここで、1つの例として、「核武装」について考えてみましょう。核攻撃に最も有効な抑止力は「核による報復能力を持つこと」ですが、自衛隊は専守防衛が原則ですし、北朝鮮などから核攻撃を受けた時の「抑止力としての報復核攻撃」については検討することすら(事実上)できません。佐藤栄作の非核三原則「核をもたず、つくらず、もちこませず」もあります。自衛隊が核兵器保持するハードルはかなり高いのですが、仮に技術的問題、内政上の問題、外交上の問題などをクリアして自衛隊が核兵器を「持てた」とします。しかし、そこで我々は大きな問題にぶち当たります。

 そう、自衛隊は核兵器を守り切ることができないのです。現状の自衛隊の基地の状況や基地警備方法では、核兵器を完全に守ることは極めて困難です。

「もし、核を持っていいという条件が整ったとして、『情報開示や透明性』を求めるマスコミや国民世論が強い中で、その警備などの機密情報を完全に秘匿・遮断して運用することができるのか? さらに、それを担保する法律もないのに現場の自衛官が“敷地内に入ってきたテロリストは武器を使ってでも止める”などという毅然とした対応をとれるものだろうか?」と基地警護に詳しいSさんは疑問を投げかけます。

「柏崎刈羽原発の敷地内への不法侵入が起きる日本です。警備の甘さに付け込んだテロリストにまんまと核兵器を奪われ、日本から諸外国に発射されては日本が世界中から非難されてしまう」。そういった問題も考えなければなりません。

 核兵器を持っても、テロリストから守り切ることができなければ、日本発の核テロが行われ、より悲惨な結果を招いてしまう……その危険もあるのです。

 米軍では、有事に隊員や家族がテロの標的にならないように、家族も基地内の家族住宅に一緒に住んでいます。イザという時に、指揮官や重要な任務に就く隊員の家族が人質となり任務に影響が出るような事態が起こらないよう、考慮されているのです。また、隊員が家族の心配をせずに任務を遂行できるように、家族の安全確保や避難も軍が責任を持ってくれます。軍の指揮官の家族が人質に取られて核兵器を奪われるという映画は多数ありますが、自衛隊の基地警備の現状を見れば、日本には核兵器を持つ能力も資格もないと言えるでしょう。核兵器の安全管理という例を挙げて考えてみましたが、平和に馴れて基地警備を疎かにすることが防衛上の命取りになることを我々は大いに認識すべきだと思います。<文/小笠原理恵>

国防ジャーナリスト。「自衛官守る会」顧問。関西外語大学卒業後、報道機関などでライターとして活動。キラキラ星のブログ(【月夜のぴよこ】)を主宰
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