更新日:2017年08月01日 15:47
スポーツ

「絶対君主の父から逃れたかった」大日本プロレス・関本大介が幼少期から抱いてきた“劣等感”の正体とは?

「深読みするのがプロレス」と言われる。ならば深読みしたい。  7月17日、大日本プロレス両国国技館大会。BJW認定タッグ選手権試合で、アブドーラ・小林&伊東竜二組は、関本大介&岡林裕二組を破り、新王者に輝いた。関本はこの試合、“負けてもいい”と思っていたのではないかと、私は思った。関本大介自伝『劣等感』(ワニブックス)を読んだら、そう思えて仕方なかった。  関本が大日本プロレスに入門したとき、先に寮にいたのが小林と伊東。同じ釜の飯を食い、苦楽をともにしてきた仲間だ。  関本より4か月早く大日本プロレスに入門した伊東は、関本に、包丁の握り方から掃除の仕方、会場でのセコンド業務まで、プロレスラーとしての基礎を教えた。デスマッチの試合で思うような成績を残せなかった関本は、小林とタッグチーム「マッスル&ファットです。」を組んだことで、レスラーとして持ち直すことが出来た。  “負けてもいい”ということはあり得ないのかもしれない。しかし、入門当時から世話になってきた先輩2人と戦うことに対し、複雑な思いはあったのではと思った。両国国技館という特別なリングの上で、関本大介は一体、なにを思ったのだろうか。
関本大介

関本大介

全力で戦うことが礼儀

――大日本プロレス3度目の両国国技館大会。いかがでしたか。 関本大介(以下、関本):岡林選手とタッグで守ってきたベルトを奪われてしまったので、それは悔しいです。ただ、小林さんと伊東さんはデスマッチを得意とする選手なので、普段戦う機会が少ないんですよ。そういう相手と両国国技館という舞台で、しかもタイトルマッチで戦えたので、その点ではすごく刺激的でした。 ――ストロングBJのルールで試合が行われたことについて、どうですか。 関本:向こうが「ストロングスタイルで」という気概があったので、それは受けなければ男ではないと思いました。でも結局、我々の得意分野であるスタイルで負けてしまった。結果がすべてですから、鍛え直してリスタートを切るしかないですね。 ――自伝『劣等感』には、小林選手、伊東選手への敬意が綴られています。試合中もそういった思いはありますか。 ⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1372616
自伝『劣等感』

自伝『劣等感』

関本:試合中はないです。リスペクトは常にありますけど、そこで恐縮してしまっては試合がつまらなくなってしまう。サイクアウトって言うんですかね。リングに立つと自分が自分でなくなるような感覚があります。二重人格じゃないですけど。 ――ファンの深読みなのですが、「負けてもいい」というような複雑な思いがあったのではと。 関本:それはないですね。全力で戦うことが、対戦相手に対する礼儀です。それは小林さん、伊東さんも分かっていることだと思います。たぶん、プロレスラーはみんなそうじゃないですかね。 ――2人に、特別な思い入れは? 関本:思い入れというか……なんでしょうね。小林さんとは、一緒に大人のお店に行ったりしました(笑)。伊東さんとはそういうお店に行ったことはないですね、真面目な方ですから。僕たちはバカなので、そういうところに行って、ヒャーヒャー喜んでました。 ――自伝の第3章「救世主」は伊東選手のお話です。「オレ、デスマッチやるわ」という言葉にグッときました。伊東選手がデスマッチをやると言ったとき、どう思いましたか。 関本:「ま、まじで……?」という感じでしたね。ホントにやるんすか!? やっちゃうんすか!? みたいな。そのときはまだ、デスマッチとストロングは分かれていなかったんですけど、伊東さんも僕も、若手の一人として普通に試合をしていたので。デスマッチに対する恐怖心は、当時からありました。やっぱり怖いですよ、血だらけになりますから。だから伊東さんがやると言ったときは、本当に驚きました。 ――小林選手、伊東選手よりも先に自伝を出版したことについて、どう感じていますか。 関本:後ろめたい気持ちはあります。大日本の先輩であり、人生の先輩ですから。でも、僕の自伝ではあるんですが、小林さん、伊東さんを含め、大日本プロレスの本でもあると思うので、出版できてよかったです。
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なにかに怯えて生きてきた
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尾崎ムギ子/ライター、編集者。リクルート、編集プロダクションを経て、フリー。2015年1月、“飯伏幸太vsヨシヒコ戦”の動画をきっかけにプロレスにのめり込む。初代タイガーマスクこと佐山サトルを応援する「佐山女子会(@sayama_joshi)」発起人。Twitter:@ozaki_mugiko

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■「大阪サプライズ32~STRONG WORLD2017」エディオンアリーナ大阪・第2競技場大会
http://www.bjw.co.jp/event_detail.php?id=1585
※タッグ・6人タッグ・Jr 3大タイトルマッチ開催
【開催日】8月11日(金・祝)
【開場時間】17:00
【開始時間】18:00
【会場】エディオンアリーナ大阪第2競技場(大阪府立体育会館)

■「Death ManiaⅤ」愛知・名古屋国際会議場イベントホール大会
http://www.bjw.co.jp/event_detail.php?id=1447
※ストロング&デスマッチ2大タイトルマッチ開催
【開催日】8月19日(土)
【開場時間】16:15
【開始時間】17:00
【会場】名古屋国際会議場
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