故人を偲ぶオーダーメイド「お別れ会」が単なる“結婚式二次会の葬儀バージョン”ではない理由
近年人気を集めているテーマ型の結婚式。これと同様に、オーダーメイド葬式やオリジナルコンセプトによるお別れ会の存在感が増していることは、以前の記事【「オーダーメイド葬式」はなぜ増えたのか? 祭壇がひまわり畑、ライブハウスで故人を偲ぶ「お別れ会」も】で報じた。
だが、いざ自分が故人のお別れ会を開く立場となれば、不明点も多く、そもそも会のイメージも湧きにくいのが実情ではないだろうか。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1302125
葬儀の総合情報サイトを運営する株式会社鎌倉新書。お別れ会のプロデュースサービス『新しいカタチのお別れ会・偲ぶ会「Story(ストーリー)」』を手がける同社は、今月10日、東京都青山葬儀所でお別れ会体験「龍馬Story」を開催した。
同イベントは発起人を坂本龍馬の妻・おりょうと仮定した坂本龍馬を偲ぶ会がコンセプト。龍馬とおりょうの思い出をモチーフにした祭壇に祈りを捧げ、おりょうが好んで弾いた月琴の生演奏を聴き、龍馬の愛した土佐の郷土料理に舌鼓をうつというもので、坂本龍馬を偲びながらお別れ会を体感できる内容だ。
従来の形態や形式にはこだわらず、葬儀やお墓といった弔いの形が多様化している近年。市場が拡大しつつあるお別れ会(偲ぶ会)にはどのような可能性と課題があるのか。
「本来なら祭壇も奥に配置するのが普通ですけど、あえて真ん中のほうに持ってきています。みんなで笑って楽しめてしまうようなこの自由な雰囲気は、実際のお別れ会も同様です」と語るのは、鎌倉新書事業開発部の堀下剛司氏。
いわゆる葬儀と違って「なにをするか」あるいは「どこでやるか」といった自由度の高さは、やはりお別れ会の大きな強みだ。
これまで「Story」で取り扱ってきた事例は、火葬のみの直葬や家族葬の後にお別れ会をするというケースがほとんど。対象となる故人は大往生という年齢よりはもう少し若い、50代とか40代といった場合が多く、30代ということもある。
「特に故人が若い場合、人間関係も多様です。直葬や家族葬など葬儀が小型化・簡素化しているいっぽう、故人の友人など参列できなかった周囲の人たちが、故人を偲べる場がないと感じる人が増えているように感じています。そういった周囲の人たちの思いも汲み取り、偲ぶ場づくりに応えていくという思いはサービス誕生以来、通底していますし、ニーズはますます強まっているように感じます」(堀下氏)
実際のお別れ会は発起人たちから故人の生き様や趣味を聞き取り、綿密なヒアリングを積み重ねていくことで故人への想いを掘り起こすことで、独創的なお別れ会を実現する。
「“どういうかたちでやりますか?”というよりは“どういう方でしたか?”と、故人の生きてきたストーリーを聞かせてもらいます。メールや電話、さらに実際にお会いしながら、その中で出てきたキーワードをベースにコンセプトを決め、提案して形にしていくというのが基本的な流れです」(堀下氏)
性質上、ヒアリングではセンシティブな場面も少なくないが、直接的には関係なさそうな話やその場で思い立ったことでも、自由に発言してもらい、時に回り道をしてもひとつひとつ聴き取っていくことが、故人や故人に対する思いをトータル的に引き出していくことに繋がるという。
もし「坂本龍馬のお別れ会」が開かれたら


葬儀が簡素化する一方で新たなニーズが

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