色や装飾など『+α』でハゲを隠す
ただ、見た目のインパクトとハゲ隠しに抜群なドレッド系ヘアは、施術に時間が掛かるうえに、夏は暑苦しい&ニオイ対策も必須であり、乾燥する冬は頭皮の痒さがいかんともし難いのがデメリット。私はガーゼにシーブリーズをつけて地肌をポンポン叩く手入れをしつつ痒さを抑えるとともに、女性用のヘア消臭スプレーを愛用していた。とはいえ、それでも持って僅か数か月。洗髪した後、水を含んだヘアの重さと乾かす手間もあって、たいてい
衝動的にドレッドを切り落とすという自傷行為を行っていた(泣)。その後は坊主にするしかないわけだが、そのままだと薄毛が目立つため、カラーリングやブリーチは基本オプション。美容院で切り落としたザンギリ頭を揃えてもらうついでに、脱色して毛と肌の色を同化させていた。年配芸能人でもよく見られるショートヘア&ブリーチによる薄毛隠しは、ハゲ諸兄にもお馴染みの対処法だろう。
私が体験してみた実感としては、普通のブラウン、ゴールド系よりはアッシュ系のカラーが地肌を目立たせない効果大。個人的には白金のブリーチが地肌との同化に最強だと思います。ただ、
脱色中に自毛がふやけたワカメのようになる様を見ると、思わず躊躇してしまうかもしれないので、そこは心してほしい。あと、脱色中はめっちゃ痛いです。特に徹夜明けにそのまま行ったりすると涙ものの滲みる痛みを体験する羽目になるので、美容院の前日は十分な睡眠を取ってから行きましょう。
後頭部にハネをつけたデコラティブ・ヘア。ススキノのデリヘル嬢に褒められた
ドレッドと通じるものがあるが、『+α』でインパクトを利かせたヘアスタイルは、ハゲの印象をそらすのに最適なテクニック。私は以前、頭頂部後方にトサカのように鳥の羽根をつけたデコラティブ・ヘアを何度か楽しんだが、見た目のインパクトに加えて薄い頭頂部後方を羽根で隠すという物理的なメリットもあり、とても良い髪型だといまだに思う。かつて隆盛を極めた今はなきクラブのヴェルファーレでは白人のお姉ちゃんから大ウケだったし、渋谷の安キャバ嬢にススキノのデリヘル嬢、さらには当時赤ん坊だった姪っ子まで、幅広い女性のハートをゲットした思い出のヘアスタイルだ。
ハゲも隠せてモテる(?)という一石二鳥の髪型なので、興味が湧いた方は真似してみては?
「守りに入らず、攻めの姿勢で今を楽しむ」という刹那的なスタンスを崩さず、あわよくば髪への鍛錬という効果も期待した、20代後半から30代にかけての私のヘア・ライフ。その甲斐あってか(?)、
40を越えて同世代に正真正銘のハゲが散見される今でも、なんとか自毛を保っている。
もっとも、いま毛が残っている最大の要因は、プロペシアなどの薄毛用薬のおかげですが(笑)。ただ、いくら若い頃から中年期を見据えてヘアケアしても、無くなる時はあっさり無くなる、そんなつれない性格なのが髪の毛。無難にいってもハードにイジリ倒しても変わらないなら、せめて髪のあるうちに楽しむのが正解です。
「孝行のしたい時分に親は無し」とも言いますが、「ヘアアレンジのしたい時分に髪は無し」となる前に、ハゲ諸兄の皆さんはレッツ・チャレンジ!
<取材・文/井上キャバ男>