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創立100周年の伊豆箱根鉄道がラブライブとコラボ中 手作りの“アイデア勝負”で沿線を盛り上げる

沿線地域も含めて「全体的に盛り上がる」ことで利益を回収する

水口さん(左)と志村さん。「いつもはさみを持ち歩いています。即興で切る時は、相手の方とお話ししながらどんなものを作ったらその人が喜ぶかを想像しながら切っているんです」(水口さん)

 伊豆箱根鉄道の広報担当・志村博総務課係長はこう語る。 「はっきり言いますと、必ずしも利益が出ている、乗客が増えているとは言えない企画もあります。でも弊社の場合は鉄道だけでなく、水族館(伊豆・三津シーパラダイス)やバス、タクシーなども運営しています。ですから、沿線地域も含めて全体的に盛り上がればいい、その中で利益が回収できればいいという考えです。そして何よりも、私たち自身が楽しんでやっていますので、それがお客様に伝わって、少しでも楽しい気持ちになってくれたらいいなと」  伊豆箱根鉄道が企画するイベントは決して大きなものではないが、地域の特性を生かした手作りであたたかいイベントが多い。鉄道単体でなく、地域を巻き込むことにより新しいファンをつくり、乗客数を伸ばしている。その地域の魅力を知ると、また違う季節も訪れたくなり、リピーターも増えていく。それが人口減少時代を生き抜く企業の智慧の一つなのだろう。 取材・文・撮影/鈴木麦 【伊豆箱根鉄道】駿豆線のほか、小田原駅~大雄山駅を結ぶ大雄山線や、伊豆箱根バス、伊豆箱根タクシーグループなどを有する。箱根 芦ノ湖遊覧船や、伊豆・三津シーパラダイスなど多くの観光施設も運営。 http://www.izuhakone.co.jp/ 【水口ちはる】伊豆市修善寺出身。独学で紙切りを始めて13年。静岡県芸術文化講師などとして教育現場で子供たちへの授業や講演を行っている。 https://kamikirichiharu.wixsite.com/choki
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