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「自衛隊は有事でも赤信号で停止する」…嘘のようなホントの話

 ためしに、陸上自衛隊関係者に「自動車や軽トラで活動するテロリストは、“1分から2分30秒止まっている戦車”を仕留められるか」と聞いてみました。 「それだけの時間があればテロリストの持っているRPG程度の小さな武力でも戦車攻略は可能です。事前に準備して信号付近で待ち伏せできます。仕留められますよ」とのお返事。ほんの短い赤信号停車でも命取りになるということです。  さらに、自衛隊は一般道を通る際には、いろいろな届出をして、許可をもらって移動しています。自衛隊の車両は重量が重すぎたり、大きさが一般車両とは違ったりする特殊車両が多く一般道を走るだけでも許可が必要なのです。有事でも通知で行います。自衛隊は普段から、平時の一般を対象とした様々なルールに縛られ、たとえ有事であっても手枷、足枷をされた状態で道路を使用せざるを得ないのです。 「有事で自衛隊が赤信号遵守するわけはないだろう。警察も目をつぶるよ」と想像するのは簡単ですが、現場に判断をゆだねては大混乱します。仮に「有事に自衛隊車両は赤信号を止まらない」と法改正で決まったとしたら、事前にそのことを国民全体に知らせないといけません。「有事に自衛隊車両を見たら左によけて止まる」というような対応を一般人に徹底させるか、戒厳令を敷き屋外に出る制限を設ける必要があるのではないかと思います。免許センターの問題も変えなきゃなりません。政治がきちんと制度を作り、広報する必要があるのです。道交法だけでも、政治が1つ1つ決めて制度を作り替えないとダメってこと、これで想像つきますよね。現場に判断をゆだねてはあちこちで事故が起こります。  制度を変えていく時は変わったことを広報し、一般の人が理解してそう動くように慣れていく時間が必要です。仮に赤信号対応を変えるだけでも、自衛隊車両が緊急車両のような赤信号でも走行するということをみんなが知っていないと事故が起こります。  些細な物事ひとつ進めるにも、「法令遵守」の自衛隊は大変なのです。あちこちから深いため息が聞こえてきそうですね。<文/小笠原理恵>国防ジャーナリスト。関西外語大卒業後、広告代理店勤務を経て、フリーライターとして活動を開始。2009年、ブログ「キラキラ星のブログ(【月夜のぴよこ】)」を開設し注目を集める。2014年からは自衛隊の待遇問題を考える「自衛官守る会」を主宰。自衛隊が抱えるさまざまな問題を国会に上げる地道な活動を行っている。月刊正論や月刊WiLL等のオピニオン誌にも寄稿。日刊SPA!の本連載で問題提起した基地内のトイレットペーパーの「自費負担問題」は国会でも取り上げられた。『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)を上梓

自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う

日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる……

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