更新日:2022年12月14日 01:19
ライフ

生産終了で1箱1万8000円に高騰した「梅ジャム」の次はあるのか? 今のうちに買っておくべき駄菓子

 ’47年に発売された駄菓子「梅ジャム」が昨年12月で生産終了になったことはSNSでも大きな話題となったのは記憶にあたらしい所。生産終了の理由は、唯一の作り手であった製造主が高齢で引退したためだった。その後、梅ジャムは40個入り400円の箱がネット上で1箱1万8000円に高騰する事態となった。「昭和の逸品」が数多く存在する駄菓子の世界だが、梅ジャムのような例は珍しいのだろうか? 駄菓子研究家の土橋真氏は、「現存するすべての駄菓子にその可能性がある」と話す。 駄菓子屋

45倍に高騰した梅ジャムに匹敵する駄菓子は?

「『うまい棒』など大手企業にブランド化された一部を除き、家族経営の零細業者がほとんどです。供給が減れば、梅ジャムのようにならざるを得ない。一部ではOEM生産も行っていますが、それも今は減少してきています」  なかでも「トンガリ」(井桁千製菓)、「あんこ玉」(植田製菓)など、独占性のある商品はその可能性が高いという。「ミックス餅」(富士製菓、明光製菓など)もなくなると高騰しそうだ。  だが、元来、駄菓子の多くは地域限定でしか流通せず、地元のスーパーにしか売られていないのが基本だという。そうした“ローカル駄菓子”が全国には200種類ほどあると言われている。 「そんななか、『瓶ラムネ』(岡田商店)のように漫画で取り上げられたのを機に全国から注文が殺到したケースもありますが、生産規模的にもSNSやメディア露出を想定していないので、人気が出ても供給できないのです」  そのため、注目を浴びると高騰する流れは変わらない。「ものにもよるが、10~20倍にはなり得る」という。  果たして、「第二の梅ジャム」は現れるか。 <あったら買っとけ!絶滅寸前の駄菓子> ●ピースラムネ(土棚製菓)/3個入り30円 …現在も代表の土棚暁雄さんをはじめ少数精鋭で一袋一袋、手作業で梱包。その光景は駄菓子の真骨頂だ ●マンボ菓子(丸義製菓ほか)/40個入り864円~ …懐かしの、ポリエチレンチューブにコーンスターチを詰めた棒状菓子。ちなみに製造しているのはたった2社 ●瓶ラムネ(岡田商店)/1本40円 …麩菓子で作られた瓶の中に入ったラムネパウダーをストローで吸う ●トンガリ(井桁千製菓)/40個入り1040円 …製造元は昭和27年に創業。カラーコーンに入ったクリームの優しい甘味が口に広がる ●あんこ玉(植田製菓)/1個10円 …中に白い玉(変わり玉)が入っていれば大当たり、大きいあんこ玉と交換できるシステムは健在 ●花串カステラ(鈴木製菓)/1個54円 …カステラ系はOEM駄菓子の一つ。名古屋市の数社が協力し合って製造しているという ― 絶滅寸前な[昭和の良品]カタログ ―
おすすめ記事