SKE48「卒業式はありません」 4年ぶり単独コンサートで宣言
4年前に行われたSSA単独公演ではシングル表題曲を発表順に披露したことでも知られているが、今回のコンサート終盤では、その“続き”を観ることができた。前回は14枚目の「未来とは?」まで。今回は15枚目の「不器用太陽」からスタートだ。
「12月のカンガルー」は北川綾巴&江籠、「コケティッシュ渋滞中」は珠理奈&高柳明音がそれぞれWセンターを務め、「前のめり」は珠理奈がセンターに。卒業メンバーを思い返したり、ポジションの変遷に触れたりと、歴史をたどる時間となった。
そして、’17年リリースのアルバムのリード曲となった「夏よ、急げ!」から、研究生も参加しラストスパート! 「この曲はみなさんともっと楽しんでいきたいと思います!」という小畑の掛け声と、観客も交えてのクラップから「意外にマンゴー」がはじまった。「スプラッシュ!」では、観客も一斉にジャンプ! スタンドを大いに揺らし、最後の1曲「無意識の色」へとつなげた。「もっといけるよ! オイ! オイ!」というメンバーたちの煽りを受け、観客のコールもみるみるうちにボリュームが上がっていく。こうして、熱を残し本編が終了した。
アンコールは、「握手の愛」で一部メンバーが客席を訪れ、観客とたっぷりふれあった。また、あいだで行なわれたMCでは、進行の須田が埼玉出身メンバーに感想を求める一幕も。4年前のSSA公演は加入間もなかったため「今回、成長した姿で立ててうれしい」と明かしていた惣田紗莉渚は、ファンのあたたかさに改めて感動。「きっと10年間変わってないものなんだと思います。これからもずっと続くように、私も頑張りたいと思います!」と誓った。
また、研究生の大芝りんかも「まだ研究生なので次このステージに立つときは正規メンバーとして立ちたいと思います」と決意の表情。観客からも「がんばれー!」との声が飛んでいた。続く矢作有紀奈は、「地元の友だちに『明日SSAでコンサートなんだ』ってドヤ顔で言えたのがうれしい」とニッコリ。それぞれに、地元に凱旋できた気持ちを言葉にした。
そして4人目の埼玉出身は松村。コンサート中盤のMCで、ファンの中に“10年生”はいるかと問いかけたとき、パラパラとしか手が挙がらなかったのをみて「結構“転校”しちゃったね」と寂しそうに呟いていたが、コンサートも終演に近づくと新たな本音がポロリ。1万5000人が埋めるSSAの客席を見渡し「こんなにいてくれるのが本当にうれしい」と、“今”を見てくれている観客に向け、喜びを露わにした。
コンサートは終幕へ。ラストを飾ったのは「手をつなぎながら」で、観客と手を振り合い、笑顔を交わし、別れを惜しみながらステージを後にした。久々の関東単独公演は、SKE48のみの楽曲で2時間半越えのコンサートとなったが、全員曲、チーム曲、ユニット曲と、めまぐるしく移り変わる濃密な内容に。あっという間に感じた人も多かっただろう。
誤解を恐れずにいうと、SKE48は「可憐」「華やか」「可愛らしい」といったアイドルらしい言葉はあまり当てはまらない。ただ、その代わりにずば抜けた熱さとがむしゃらな姿勢を持っている。頬をつたう汗や乱れきった髪がこんなにも輝いて見えるアイドルは、そういないはずだ。
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