更新日:2022年12月30日 10:36
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ブラック部活は「親の洗脳」から!? ある名門野球部、卒業生たちの末路

恐怖政治の裏に「親の洗脳」がある!?

 ブラック部活が成り立つ条件として「親の洗脳」があるという。 「監督からの覚えがめでたいと、最低でも大学には口利きで進学できる。地元の有名企業にだって高卒で入れますよ。大学にも企業にも監督の教え子がたくさんいて、みんな監督の言うことを聞くんです。そうすれば親だって必死に監督をかばい、監督を神様のように崇める。実際、僕はレギュラーではなかったですし、勉強もできませんでしたが、高卒後は“野球部枠”で銀行に就職できたのです」  子の面倒を見てくれるのであれば、子の将来を約束してくれるのなら……。  このような親心につけこむ、ブラック部活の指導者たち。藤代さんによれば、全国から集められた同級生のなかには、監督や父兄からいじめられた挙げ句、野球だけでなく学校自体を辞めてしまった人……路頭に迷い、反グレ稼業に手を染めるようになった人までいるという。もちろん、そんな元生徒の責任まで監督がとらなければならないわけではないが、彼らが非行に走ってしまった背景に理不尽な「ブラック部活」があったことは事実だろう。 「私自身は運良く銀行に就職することができましたが……やはり、不遇な仲間も多くいたわけですから。世話になった監督に唾を吐くようで申し訳ないですが、ブラック部活文化はよくないと思います」  日大の件で終わらせてはならない、みんながもっと声をあげるべき……というのが、日本全国のブラック部活経験者の本音ではないだろうか?<取材・文/森原ドンタコス> ― 「ブラック部活」特集 ―
―[ブラック部活]―
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