更新日:2022年12月30日 10:44
カーライフ

開通したばかりの外環道千葉区間開通が生み出した新たな渋滞。その現実的な対策案を考える

外環道埼玉区間の渋滞対策。その現実的な方法は?

 私は、外環道埼玉区間の片側3車線化しかないと考える。    といっても、ほぼ全線高架高速の外環道埼玉区間を、本格的に拡幅するのは非常に困難だし、時間もかかる。よって「暫定拡幅方式」が適当だ。

東名の暫定3車線(当時)

 新東名の開通前、東名の恒常的な渋滞区間だった岡崎IC付近は、片側2車線から3車線に拡幅された時期(2011~2016年)があった。1車線の幅を25cmずつ狭くすると同時に、路肩や中央分離帯をギリギリまで詰めて、プラス1車線分の幅をひねり出したのだ。

2011~2016年に行われた東名音羽蒲郡IC‐豊田JCT間の3車線(NEXCO中日本のHPより)

 こうすると路肩はほとんどなくなり、まったく余裕のない道路構造にはなるが、なにしろ車線数が5割増えるのだから、渋滞緩和効果は絶大。渋滞が減少したことで、事故(高速道路の場合、追突が大部分)も大きく減った。現在は東名阪道四日市付近で実施され、それなりの効果を上げている。

東名阪道四日市付近で実施されている暫定3車線の例(NEXCO中日本のHPより)

 外環道埼玉区間は、2.5m幅の路肩がある。これを潰し、各車線と中央分離帯をすこしづつ詰めれば、もう1車線ひねり出すことは、なんとか可能だ。  制限速度は、現在の時速80kmら時速60kmに下げられることになるだろうが、渋滞に比べたら、制限速度の低下などまったく問題にならない。実際、東名岡崎IC付近でも、時速60kmの制限速度を守っているクルマなどいなかった。  少なくとも、外環道東京区間の開通と同じタイミングで、埼玉区間の車線増も行うべきと考える。 取材・文・写真/清水草一
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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