半裸の男たちがスタジアムに大量発生! 土壇場でのW杯予選突破にアルゼンチンサポーター大興奮
その興奮が怒りに変わったのが後半4分。ナイジェリアがPKを獲得。今大会から導入され、重要なゴールが判定されているVAR(ビデオ判定システム)での検証が行われたが、判定は変わらずPK。真後ろからは、ここではとても書けないヤジがツバとともに飛んできた。
ナイジェリアがPKを決め、振り出しに戻すと、その後は防戦に回るアルゼンチン。その時も「代表を愛している!勝利を掴め」といった内容の歌が、どこからともなく自然発生的に湧き上がり、それが会場一体のコールとなり、スタジアムを揺るがせる。
後半も残り10分。予選敗退が頭をかすめる時間帯、水色と白は猛攻に転じるもゴールは割れず、周囲の男は頭を抱え、強烈なヤジが飛び交う険悪なムードに。「このまま負けたら帰り道、記者も身も危ないのではないか……」そんなことが頭をよぎった残り4分、右クロスを豪快なダイレクトでロホがゴールを決めた。
「ウォーーーーー!!!」。地鳴りとともに暴れまわるアルゼンチン人たち。後ろの3人組は階段を駆け下り、着ていたユニフォームを脱ぎ上半身裸で暴れまわる。絶叫、感涙、そして飛び散るビール。それは、近くを警備していたロシア人スタッフは逃げ腰になり、挙げ句、その狂乱をスマホで写真に収めるほど。
半裸の男たちが大量発生したスタジアム。誰彼なく抱き合い、涙を浮かべる屈強な男たち。そのままタイムアップ。アルゼンチン大逆転でグループ2位で予選通過を決め、首位に立っていたナイジェリアは3位となり、土壇場で予選敗退となった。
おそらく国に奥さんや家族を残してロシアに来ているのだろう。帰り道では多くの男がビデオチャットでその興奮を伝える様子があちこちで見られた。マラドーナですら興奮のあまり倒れたのだから、彼らのテンションは言うまでもない。
試合が終わったのが夜11時。サンクトペテルブルクは夏の間白夜で日が沈まない。街なかでは朝まで彼らのどんちゃん騒ぎが続き、文字通り「眠らない街」となっていった。
取材・文・撮影/遠藤修哉(本誌)
逆転ゴールで、半裸のアルゼンチン男たちが半狂乱に
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