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オシャレなビアガーデンに中年たちから不満の声「ビアガーデンは普通でいい!」

 連日、記録的な暑さが続く今夏。特に、全方位からのアスファルトの照り返しと、エアコンの室外機から吐き出される熱風にむせる都市部は、あくせくと働くサラリーマンの体力を容赦なく奪い続けている。  そんな都会のオアシスとも呼べるべき存在がビアガーデン。暑さでゆだった頭と体も、冷たい生ビールをゴクゴク飲んでプハァーッとやればたちどころに回復。まさに、「この一杯のために生きているんだよな~」を実感できるのが、冷房の効いた室内ではなく、暑苦しい夜に屋外で楽しむビアガーデンなのだ。  が、昨今のビアガーデン事情に対して、一部から不満の声が上がっているのをご存じだろうか。声の主は、20年以上、ビアガーデンに慣れ親しんできた40代サラリーマンたちだ。

ビアガーデンは庶民的であってほしい

「最近のビアガーデンは、牛肉とか羊肉のバーベキューばかり。暑くてクソだるいのに、食べ放題の肉を食う胃袋なんて持ってないよ。枝豆、唐揚げ、ソーセージあたりをつまみにグイッとやりたいだけなのに、そうした定番メニューをアラカルトで頼める店が本当に減った」(46歳・医療機器) 「世界各国のクラフトビールが飲めるとか、カクテルの品揃えがウン十種類とか、正直どうでもいい。ビアガーデンでは、飲み比べできるほど長居したいわけじゃない。最初の1、2杯が楽しめればそれで十分」(38歳・出版) 「グランピング(ラグジュアリーな贅沢キャンプ)のできるビアガーデンとかアホかと。大自然の中でやるから意味があるのに、都会のド真ん中でテント張ってもしょうがないでしょう」(41歳・食品) 「ナイトプールをくっつけたり、豪華な食材を用意したり。つまり、高級感を出すって狙いが、ビアガーデンには決定的に合わない。近所にあるのがこだわりのラーメン屋さんばかりで、フツーの中華屋でレバニラ定食と餃子とビールを頼みたいって欲求が叶えられないってのと同じ。つまり、ビアガーデンって庶民的であってほしいんですよ」(51歳・フリーライター)  総じていえることは、皆、「普通のビアガーデンに行きたい」ということ。「どこにでもありそう」と思われがちだが、試しにネット検索で「普通のビアガーデン」と入力すると、「普通のビアガーデンじゃ物足りない、こだわりのビアガーデン◯選」といった結果が並ぶ。  確かに、大人数で事前に予約する場合、参加メンバーの嗜好もそれぞれ異なることから、メニューが豊富だったり、他とは違うサービスを提供してくれるお店を選びたいもの。それゆえの“こだわり合戦”となっている現状もあるが、「仕事帰りに飲み仲間とフラッと暑気払い」するには、余計な修飾語が多すぎるというわけだ。  前出のフリーライターの男性は「行きたいビアガーデンが無いから、最近は神宮球場のナイター観戦がビアガーデンがわり」と語る。ビールとジャンクフードがメインだけど、結局、シンプル・イズ・ベストということなのだろう。〈取材・文/日刊SPA!取材班〉
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