都内屈指の不人気タウン「尾久」ってどんな街? 東京駅まで14分…なのに誰も降りない
「次は、おく~。おく~」
上野駅から埼玉県・群馬県・栃木県など北に向かう電車に乗っていると、ふと聞こえてくるこのアナウンス。尾久駅の1日平均乗車人数は9487人(2017年度)で、東京都内にあるJR駅の中ではワースト3位の少なさだ。東北本線、上野東京ラインが停車する駅だが、実際のところ、降りる人はほとんどおらず、ドアの『プシュー』という音だけが車内に鳴り響く。
尾久駅が一体どこにあるのかさえ分からない人も多いだろう。その答えは北区である。上野駅のすぐ近くと思いきや、台東区からは荒川区を挟んで2つ隣に位置するのだ。そんな誰も降りない尾久駅前は一体どんな街なのか?
Googleマップで尾久駅を見てみると、ホームの乗り場は2つしかないにもかかわらず何本もの線路が束になっている。ここは尾久車両センターと呼ばれ、JR東日本の車両基地となっているのだ。駅を降りて外から基地を見てみると、2015年まで上野―札幌を繋いでいた寝台特急「カシオペア」の車両があり、カメラを構えている人もチラホラ。そこで、付近にいた尾久駅の男性駅員に声を掛けてみた。
「カシオペアは現在運行していませんが、旅行会社のツアーに参加すればいまでも乗ることができるんですよ。金曜日の夜に上野駅を出発して東北に向かうことが多く、通過する尾久駅には撮り鉄さんたちが結構集まるんですよ。でも車体もかなり古いので、週一回くらいしか走ることができないんです」(男性駅員)
調べてみると多くの旅行会社がカシオペアのツアーを販売している。値段はかなりお高めではあるが、カシオペア号の人気は健在だ。金曜日の夜の尾久駅には夜の中を走るカシオペアを目当てにカメラを持った人々が集まる。尾久駅は鉄道ファンには人気の場所なのだ。
カシオペア号が停まっている“撮り鉄”の聖地
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