新型ジムニーをみんなが欲しがるのは「見た目が無敵のおふくろの味」だから
クルマを買いにディーラーに行けば、下にも置かぬ扱いをしてくれるだろうと思っているみなさま。ジムニーは今や、客のほうが土下座して売っていただく超人気商品ですので、覚悟してください。
で、そんな感じで、カタチに釣られてジムニーが欲しい! と思ったみなさまの多くは、林道など金輪際走る気はなく、たまのレジャーや近所の買い物に使おうかと思っていることでしょう。
もちろんそれで何の問題もないのですが、ジムニーは本来、超本格的なオフロード車でして、悪路の走破性を第一に設計されております。よって、普段使いすると、若干弱点がございます。
まず2ドアであること。シロートの方は「なぜ4ドアがないの?」とおっしゃるでしょうが、そういうみなさまにはハスラーがオススメです。納車もすぐだし、新古車のタマ数も豊富。コミコミ105万円くらいから買えますヨ!
あとジムニーの弱点は、構造がトラック同様とても頑丈なぶん、軽としては車体が重いこと。エンジンは全車ターボ付きですが、ATは耐久性を重視して4速トルコンを採用しているので(軽の多くは高効率なCVT)、加速もあんまり良くない。真四角なので空気抵抗も大きく、燃費もあんまり良くない。高速道路での直進安定性もあんまり良くない。
それに値段が高いです。売れ筋のグレードに、ナビ等通常のオプションを付けると、諸経費込みで230万円を超えます。
「ええ~~~~~~~っ! 軽なのにそんなに高いのかあ!?」
それでもジムニーは大人気なのです。あそうだ、乗り心地はとてもいいです。あと、MT車もあります。
結論
私もジムニーをひと目見て「欲しい!」と思い、発表直後にディーラーに行ってみましたが、232万円という数字を見て挫折し、「中古のBMWでいいや」と思いました。
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中 1
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