「ゲームブックファン」なら懐かしさ満点!読書の秋にちなんだスマホゲーム2選
『MazM: ジキル&ハイド』
iOS、Android/MazM/基本プレイ無料(アプリ内課金あり)
2本目は、世界の古典名作をゲームとして再構築し、アプリ化する韓国発のシリーズ。第1弾『オズの魔法使い』は翻訳されていませんが、第2弾『ジキル&ハイド』は7月に日本語版がリリースされました。レビューでの評判も上々です。
深夜のロンドンで屋台を破壊し、骨が折れるまで少女を踏みつけた奇怪な男ハイド。著名な医師ジキルの署名が入った小切手で被害者を黙らせたハイドの正体とは……?
ゲームはジキルの友人である弁護士アターソンを操作し、ジキルの遺言状により全財産を託されているハイドの正体を追っていきます。調査したいエピソードを選び、ロンドンの街を移動して「?」マークの出ている場所を調べ、通行人と会話してフラグを立てるシンプルなアドベンチャー。ときには金庫の暗証番号を推理したり、遺言状の空白部分にカーソルが来たらタップして解読したり、といったミニゲームも入ります。
アレンジされているとはいえ基本的には原作をなぞっていて、ダークな手書き風のトーンで描かれた19世紀ロンドンの風景も印象的。各キャラクターも魅力的に描かれています。
原作『ジキル博士とハイド氏』は、『宝島』でも知られる19世紀イギリスの小説家スティーブンソンの傑作。二重人格というモチーフもそうですし、サイコサスペンス的な構成も、今読んでもまったく古びていません。このアプリをきっかけに、原作に触れてみてはいかがでしょう。ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
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