お金

仮想通貨盗まれた男に必要な“体力”とは?――「お金0.0」ビットコイン盗まレーター日記〈第25回〉

西麻布 チカノチカ

まろ「さっき教えたのが資産な。つまり、お金を持ってきてくれるもの。借金してでも、借金の金利以上にお金を生み出す方法をちゃんと持ってれば、利息ひいても増えるだろ。ここまでわかる?」 達也「はい…なんとなく…」 まろ「チカちゃんは?」 チカ「わたしはもう、ほら、ココの支配人ですから、えぇ、つねに、頭に入ってますよ。もちろん」 まろ「ほんと?」 チカ「もりました」 まろ「まぁそうだよね。そのうちわかるよ。つまりさ、達也が今回借りちゃった300万をビットコインにぶっこまないで、なんかお金が出てくる箱買えばよかったんだけどな。出てきたお金をちょっとずつ貯めて、それでまた別の箱買えば2ヶ所から出てくるようになる。それが商売の基本だよ」 達也「でも…」 まろ「なんだよ」 達也「箱っていうの、なんかひどくないですか。お店や会社の中では一生懸命働いてるひとたちもいるわけだし、箱っていう言い方はちょっとなんというかブラックというか、その…」 まろ「うん。言いたいことはわかる。だけどな、世の中には仕事が溢れてるし、自分で箱を作ってもいいんだよ。誰かのせいにしたくなるような環境で文句言っててもムダ。さっさとヨソに行くか、もっといい箱を自分で作ったらいいんだから」 達也「それが起業ですか?」 まろ「うーん。まぁそうなんだけど、学校に例えたらわかりやすいかもな。学校がイヤなら、自分で転校したりやめちゃったりしていいんだよ。たまたま近所に住んでる同世代を集めただけの集団が、自分の成長に関係あるわけないっしょ」 達也「いやーーーーーー、さすがにそれは…」 まろ「お前いまいくつだっけ」 達也「今年で24になります!」 まろ「24でその考えで、借金あったら、もう一生むにゃむにゃよ」 達也「むにゃむにゃ…」 まろ「そう。むにゃむにゃ」 達也「むにゃむにゃ…どうしたらいいんですかね…」 まろ「んー、ここで働くのもいろんな社長に会えていいけど、もっと馬鹿みたいに体力つくこともやれよ。いままでなんかスポーツやってた?」 達也「…はい、e-sportsを…少々」 まろ「筋肉つかないね」 達也「徐々に衰えます…。あ、Aさんと井戸さんからLINEグループの招待がきました」 まろ「おもろいなー、それ、イヤな予感しかしないじゃん」 達也「はい…」 —- A「たつやー、このバイト、かけもちでやんなさい。クリックはこちら!→http://www……」 井戸「おめーやれよ。絶対だかんな」 —- 達也「クハー」 まろ「なに?」 達也「すごいの来ました。これ」 まろ「スゲェ!最高じゃん!これやれよ!夏だし!」 次号へつづく
(いでの・たつや) 1994年、兵庫県生まれ。元かけだし俳優、高校卒業と同時に上京。文学座附属演劇研究所卒業後、エキストラ出演やアルバイト勤務を華麗にこなし、たまたま仮想通貨で得た大金を秒速で盗まれる。Twitterアカウント(@tatsuya_ideno
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