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大卒なのに高卒と偽ってた市職員がクビに。Fラン大卒から「俺も高卒と詐称したい」との声も…

 神戸市は11月26日、「高校卒」までを受験資格とする市職員の採用試験を、大学卒業の経歴を伏せたまま受験していたとして、経済観光局の男性事務職員(63)を懲戒免職処分にしたと発表した。

 大卒枠での試験では受からないと思っての行動だったのかは不明だが、せっかく得た大卒という肩書きをわざわざ高卒に変えるという行為は理解しがたいもの。この、まれに見る“逆詐称”が話題を集めている。

神戸市役所

神戸市役所

 だが、この職員を羨む声が挙がっている。首都圏にある偏差値35の、通称Fランク大学に括られる大学を卒業した山田一郎さん(26歳・仮名)は、「僕も高卒と詐称できたらどんなに楽だったか…」と話す。学歴がものをいう社会で、大学卒が高校卒を羨む。一体どういうことなのか。

Fラン大卒は「バカ」、高卒は「たくましい」と思われる?


 現在、都内の不動産会社に勤める山田さんはこう語る。

Fランク大学

写真はイメージです(以下同じ)

「高卒だと、なんだかたくましい感じがするじゃないですか。大学を出ずに18歳から社会に出ているあの感じが。あと、大学に行かなかった理由をいくらでもでっちあげられますよね。『大学に進学する意味が分からなかった』とかなんだかそれっぽいこと言われると、なんかちょっとかっこいい気がしますし、デキる奴っぽく感じませんか? Fラン大学卒業の最終学歴だと、『ああ、バカね』でおしまいですから」

 なんだか被害妄想のようにも感じるが…高卒を羨むぐらいなら、彼はなぜ大学に進学したのだろうか。

「周りの大人に言われたことが大きかったです。高校の先生や親とかに『まだまだ日本は学歴で決まるぞ。どんな大学でも卒業しちゃえばこっちのもんだ』と。確かに、高校時代の僕も大卒と高卒に給料の差があることは分かっていたので、当時はそれを信じてしまいました。でも、社会に出てはっきりしたのは偏差値の低い、そして名も無い大学を出ても足枷(あしかせ)にしかならないってことです。

 僕は今の会社が2つ目なのですが、転職活動のときも苦労しました。面接官に、『〇〇大学ですか…ええっと、どこにある大学ですか?』と95%の確率で聞かれ、一通り説明すると、『ああ~…』と言われることがほとんど。もちろん、前職のことについての質問もされますけど、学歴の時点でなんとなく不採用は決まったようなもんです。
 結局、頭脳労働ではなく肉体労働とか、精神力の強い性格が求められるような仕事にしか就けないんですよ。これだったら、『高卒で18歳から働いてます』といったほうがウケがいいに決まってます」

 山田さんはこう言うが、筆者の知りあいでFラン大学を卒業した人は、ベンチャー企業で企画の職務に就いていたり、Webメディアのライターをしていたりと“頭脳労働”をしている人もいる。彼は転職活動時に味わった面接官の態度や、Fランクという名称に引け目を感じ、先述したように感じてしまっているのかもしれない。

 ちなみに、2018年春に卒業した人の就職率を見ると、大卒は98.0%、高卒は98.1%(就職希望者のうち就職した人の割合、厚生労働省、文部科学省しらべ)。求人の中身に違いはあるだろうが、「就職できるか」だけを考えると、高卒も大卒も大差はないようだ。

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Fラン大卒なら高卒の方がマシだと思う

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