通信高校卒業の26歳が、年収800万円の会社員になれたワケ
学歴偏重主義。転職において、4大卒以上を応募条件とする企業は多くあり、新卒採用ではいまだに学歴フィルターが存在するといった話しも耳にすることから、日本ではまだまだ学歴を重視する傾向が強いようだ。
痩身で物静かな印象を抱くAさんの最終学歴は通信高校卒業だ。元から、普通科の高校へ入学することは考えていなかったのか。
「学校でやる行事とか、集団で何かをやることに嫌悪感があったので通信高校に入学しました。僕の通っていた学校は月に2~3回登校すれば良いシステムだったし、放任主義というところも、団体行動が苦手な自分にはピッタリでしたね。当時、英語を喋れるようになりたいという目標があり、学校に行かなくていい日は家でリスニングの勉強や、街で観光客に話しかけたりして英語を学んでいました」
現在の職業であるエンジニアになりたいという願望はあったのだろうか。
「図書館に行ったときにパラパラとHTMLの本を読んだりはしていました。でも、エンジニアになりたいという願望はありませんでしたね」
現在の会社が4社目のAさん。年齢の割に転職回数が多いようにも感じるが、やはり就職には苦労したとのこと。
「学歴がないので、就職は思うようにいきませんでした。なので、コールセンター、コンビニなどのアルバイトを転々としていました。英語を活かそうと思い、フリーの翻訳家にもなりましたが、仕事はほとんど無い……という感じでしたね」
アルバイトを転々とする。これは就職がうまくいかなかった若者が陥りやすい現実だろう。Aさんは現在のキャリアに繋がるきっかけをどのようにして掴んだのだろうか。
「友人からSNSで『プログラマーなら紹介するよ!』というメッセージが来たことがきっかけです。本を読んで知識はあったし、これからどうしようと悩んでいたので、それに飛びつきました」
知識があったとはいえ、プログラミングに関してほぼ素人だったAさん。1社目の会社ではアクセンチュア出身で東大卒という、エリート上司の厳しい指導になんとか耐え、知識を吸収しまくったと話す。当時の年齢は23歳。年収は300万円だった。
「その会社で1年と少し働き、さらにスキルアップをしたく転職を考えました。希望していた会社は技術力に定評のあるところで、当時の僕の実力では到底入社できないレベルでしたが、ポテンシャル採用という枠で運良く入ることが出来ました」
が、この会社では過労死レベルの残業をさせられた。さらに社長がワンマンのブラック企業だったこともあり、Aさんは8ヶ月で退職を決意する。
「すぐに辞めてしまいましたが、1社目では得られなかった技術を得ることができたのが大きかったです。次の会社を探すときは、労働条件など色々慎重になりましたが、結果的に残業が少なく給料も良いホワイト企業に入れることができました。3社目の面接の時に前職の収入は言わず、これまでやってきたことと今の自分の実力で給料額を決めてほしいと直談判した結果、年収は480万円になり、社会人デビューから2年で収入が120万円上がりました」
今回話を聞いたのは、通信制高校を卒業後に職を転々とし、現在はIT企業のエンジニアとして働くAさん(男性・26歳)。決して学歴が良いとは言えない彼だが、現在の年収は800万円近くあるという。その成り上がり人生に迫った。
「学校行事がめんどくさい!」を理由に、普通の高校へは行かず
アルバイトを転々とし、エンジニアになる
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