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安倍政権による改憲は遠のいたのか? 立憲的改憲の立場から倉持麟太郎氏が警鐘を鳴らす

山尾志桜里議員の「立憲的改憲」の憲法試案は難解か?

「立憲的改憲」とは、ごく簡単にまとめてしまうと「立憲主義に基づいて、個人の権利保障を豊かにするために権力を縛り、改憲も含め、憲法をとりまく制度を改革していこう」という主張である。例えば、憲法9条に関しては2018年8月に山尾議員が改憲条文試案を発表しているが、これも「自衛隊をしっかり規定したうえで、権力が暴走して侵略戦争をさせないように縛る」ことを目的としている。また、9条等条文の改正だけではなく憲法裁判所の設立など、立憲主義を貫徹させるための多岐にわたるアイデアがある。  さて、恥を忍んで書くと、記者はこの山尾議員の立憲的改憲条文試案発表の場(8月5日の『ゴー宣道場』)に居合わせたのだが、それまでも半年に渡り議論を聞き、現場でも解説を聞いていたにも関わらず、その詳細と議論についていくことがなかなか難しかった。山尾議員の「立憲的改憲」憲法9条改憲試案は以下である。

【山尾志桜里議員の「立憲的改憲」論 憲法9条改憲試案】

【日本国憲法 第九条】  一項 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。  二項 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。 【追加する条項】第九条の二  一項 前条の規定は、我が国に対する急迫不正の侵害が発生し、これを排除するために他の適当な手段がない場合において、必要最小限度の範囲内で武力を行使することを妨げない。    二項 前条第二項後段の規定にかかわらず、前項の武力行使として、その行使に必要な限度に制約された交戦権の一部にあたる措置をとることができる。  三項 前条第二項前段の規定にかかわらず、第一項の武力行使のための必要最小限度の戦力を保持することができる。  四項 内閣総理大臣は、内閣を代表して、前項の戦力を保持する組織を指揮監督する。  五項 第一項の武力行使に当たっては、事前に、又はとくに緊急を要する場合には事後直ちに、国会の承認を得なければならない。  六項 我が国は、世界的な軍縮と核廃絶に向け、あらゆる努力を惜しまない。  現行の9条に「第九条の二」を追加してある。現行の9条2項では「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」とあるのに、追加される「第九条の二」では、武力行使を認め、交戦権も認め、戦力の保持も規定している。一瞬、「?」が頭に浮かんでしまうが、よく読めば「現行の9条の不戦の精神を活かしながら、『必要最低限の戦力』(現状の自衛隊)と、侵略などに対する交戦(いわゆる個別的自衛権)は認めつつ『集団的自衛権』までは認めない。さらに軍縮、核廃絶を志向する」という段々と権力を縛っていく構成であることがわかってくる(山尾議員はあえてこの条文では「自衛隊」「個別的自衛権」「集団的自衛権」などの言葉を使っていないのだが、その理由は本稿では省略する)。

「立憲的改憲」の立場からの憲法9条改正試案を、「ゴー宣道場」で初めて発表する山尾志桜里議員(2018年8月5日、東京都品川区で撮影)

「ゴー宣道場」の場で初めて公表された山尾志桜里議員の「立憲的改憲」による憲法9条試案(第3項まで)。追加する「9条の2」から書き出されている(2018年8月5日、東京都品川区で撮影)

「ゴー宣道場」の場で初めて公表された山尾志桜里議員の「立憲的改憲」による憲法9条試案(第4項から第6項まで)。追加する「9条の2」から書き出されている(2018年8月5日、東京都品川区で撮影)

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