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ご意見番が選ぶ2018年ギャンブル業界10大ニュース

──木曽さんはやっぱり、「日本カジノ合法化」が1位ですね。 木曽崇:僕はカジノ業界人なので、最長20年ぐらいかかっての案件なので、やっと合法化してよかったね、っていう感想しかないです。 POKKA吉田:おめでとう! 木曽崇:ありがとうございます(笑)。2018年に合法化はしましたけども、2019年夏に国側から基本方針というのが発表されて、それに沿ってだんだんと現実味のある話がこれから出てくるんですよ。年明け以降に大きなニュースがあちこちから飛び交うことになります。 ──まだ手放しで喜んでいい段階ではないんですね。 木曽崇:日本のIR整備法は、回数制限や入場料などの入退場管理に関して、世界のカジノと比較してもかなり厳しいレベルの規制を設けています。これによって需要が確実に抑制されるという条件下で、カジノ事業者さんは、日本のカジノ事業に1兆円を投資すると言っているんですよ。もちろんこういう数字は一種のブラフみたいなもので、どこの国でも最初に挙げる数字は大きいんです。この1兆円を、彼らがいつまで挙げ続けるのか。外野として見ている人たちとしては、一番の見どころだと思いますよ。 POKKA吉田:大阪は、万博決定と夢洲IRの件も絡んでわちゃわちゃしてるよな。夢洲IR自体はまだ決定していないよね? 木曽崇:そうですね。大阪府政を担っている維新の会は、2024年の開業を目指すと言って、これを政策の柱にすえて来年の選挙を戦う予定です。大阪の今の状況っていうのが今後の日本のIR導入にとってはいちばん試金石になる動きなので、そこは業界人として見守っていかなきゃいけないよね、という状況です。 POKKA吉田:日本のカジノ・IRに行ってみたいっていう人は、先に韓国の仁川パラダイスシティに1回行ってみたらいいと思う。施設が拡張してきれいになってるし、極東アジアの情勢がよろしくない影響なのかそんなに混んでもいないから、むっちゃ快適に過ごせます。 木曽崇:日本人ディーラーもいますしね。日本企業さんが、とくに日本人のお客様を対象にして開発をしたっていう意味では、日本の未来のカジノの在り方を占う存在でもありますよね。 POKKA吉田:本来、これを1位に掲げたかったんやけど、どうもカジノ合法化ありきで「こっち先やっとくか」感が否めないんだよねぇ……。政府与党プラス維新が、IR実施法を成立させたいがためだけに作ったような法律。ギャンブル等依存症対策を真剣にやりましょうっていう法律には見えないのよね。与党・政府のやる気を感じない。 木曽崇:POKKAさんは法制化の過程に対して厳しい目で見ているんですね。僕は、各団体が任意でやってた依存症対策が法制化されたということは、この連載の共通テーマのギャンブルにとってはすごく大きな出来事だったと思います。今後は産業そのものの成長と同時に、弊害の抑制の両軸で論議を進めていかなくてはいけなくなったという意味では、大きいと思う。 POKKA吉田:最近サッカー元日本代表の前園真聖さんが「依存症理解啓発サポーター」に任命されたよね。彼は2013年の飲酒暴行事件以来、お酒を1滴も飲んでないんだってね。酒乱と依存症って、厳密にいえば違うような気もするけど。酒で下手打った人がギャンブルや薬物の依存症理解啓発サポーターになってるってほうが、メッセージ性が強いっていう判断なのかな。 木曽崇:当事者の人がちゃんと回復して社会復帰している姿っていうのは、現依存者の人にとっては、励みになるかもしれませんね。ただこれ、前園さんが全部の依存症を担当するの? POKKA吉田:本気でギャンブル依存症の怖さをPRするんだったら、貴闘力とか大王製紙のムスコがサポーターをやったらええのに(笑)。 木曽崇:依存症対策基本法関連でいうと、基本的に遊技業も含めて、ギャンブル等の業界というのは、すべてが成長と弊害の抑制っていうのをバランスとりながらやっていきましょうということになっているんだけども、いまのところ宝くじだけは蚊帳の外になっていて、拡大路線が続いてるんですね。「宝くじのネット販売」っていうのもある意味、もう最終局面という状況。ガチャですら規制の論議が始まっているのに、宝くじの独走状況はいつまで続くのかなぁ。
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オジュウチョウサンはすごかった
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