レオパレスのオーナー会が語る不正実態にア然。「レオを潰す気か?」とオーナーの内輪モメも
問題発覚の契機となった物件調査を主導したレオパレスの物件オーナー組織「LPオーナー会」の前田和彦氏も次のように話す。
「レオパレスは会見で昨年3~4月に違法建築の疑いがあることを知ったと話していますが、’12年にサブリース契約を一方的に解除された兵庫県のオーナーが起こした訴訟で、界壁の不備が指摘されていました。和解に持ち込まれたため、違法建築の実態は表沙汰にならなかったのです。経営陣はこの時点で問題を認識していたと考えるのが普通でしょう」
不備の発生原因についてレオパレスは、「現場の判断でやった」「作業を簡略化するためだった」と弁明したが、疑惑は深まるばかり。少なくとも、オーナーを裏切る行為を繰り返してきたのは間違いない。
「備え付けの家具・家電のメンテナンス用にオーナーは1部屋につき毎月2000円を積み立ててきたのですが、’10年には積立基金が突然『メンテナンス契約』に切り替えられました。オーナーの負担額は変わりありませんが、これによってレオパレスはオーナーの積立金を特約金名目で売上高に計上したのです。
それでいて、一向に家具・家電の修繕や交換をしてくれない。だから、私は165人のオーナーと契約不履行を訴える民事訴訟を’16年に起こしたのです。その翌年には、建物のメンテナンスに関する集団訴訟と、プロパンガス工事代金返還請求訴訟も起こしました。
本来、プロパンガス設備はオーナーの所有物で設置工事費をレオパレスに支払っているのですが、レオパレスは密かに特定のLPガス事業者と手を結んで、無償でガス設備を設置してもらっていたのです。事業者にしてみれば、安定的にガス料金が入ってくるので、設置コストは営業経費という扱いなのでしょう。
レオパレスは我々が負担した工事費を丸々懐に入れてきた疑いがあるのです」(前田氏)
このほかにも30年保証を反故にして家賃減額を強引に迫ってきたレオパレスに、減額分の返金を求める訴訟が何度も起きている。
問題続出のレオパレスは事業を継続できるのだろうか? オーナー会の依頼を受け、全国30棟以上の物件調査に立ち会った一級建築士の纐纈(こうけつ)誠氏は次のように話す。
「小屋裏の界壁の設置、ないし改修には、部材を運び入れるために天井に大きな穴を開ける必要があります。この際、ユニットバスが接した部分は設備を取り外さないと施工できない。一度取り外して、また戻せばいいというものではなく、メーカーは設備が変形するリスクを懸念して、新品との交換を推奨しています。
そう考えると、ユニットバスだけで30万円程度かかり、界壁の部材費、施工費などを加えると、一部屋あたり100万円単位の改修コストが発生する可能性もある。
1棟10部屋で試算すると、1000棟で100億円。私が調査した物件のすべてにおいて、さまざまな不備が見つかっていることを考えれば、問題のある物件をゼロにするには、さらに改修コストが膨らんでいくでしょう」
プロパンガス工事費を丸々懐に入れてきた疑いも
改修コストは1000棟で100億円か
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