発達障害当事者が働きやすい職場とは? 大切なのは「適度な無関心」
常見氏はこの意見に対し「目から鱗」と驚きを隠せない様子だった。
「最近、日本でもLGBTや発達障害の方など、多様な社員、生きづらさを抱えた社員に対する関心が高まってきました。ただ、社会人のあるべき姿という固定観念が健常者を含め苦しめていると思います。
ダイバーシティも、よくも悪くも『可愛そうだからダイバーシティ』になっていると感じてきました。もしくはIR、PR、CSRの色が強い『見せびらかし型ダイバーシティ』とも言えるでしょうか。
そうではなく、様々なポジションを用意し、健常者を含めそこに人をあてる『タスク型ダイバーシティ』に切り替えていくことが重要です」
さらに常見氏はこうまとめる。
「近年、“多様性の氾濫”が叫ばれていますが、一言で多様性と言っても『選べる多様性』と『選べない多様性』があります。障害や貧困なども然り、ほとんどの人が何かしら後者に当てはまる要素を持っているはず。
結局のところ障害者や健常者、老若男女といった大きな属性に縛られることなく、『選べない多様性』を持ったあらゆる人間が働きやすい職場作りというものが最終的な目標になってくるんだと思います。
そのためにも『適度な無関心』が必要不可欠なんでしょうね」
「発達障害当事者が働きやすい会社」とは、ひいては「万人が働きやすい会社」に他ならない。そのためにも、それぞれが自立した生活ができる環境を作っていかなければならない。
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