更新日:2023年03月12日 09:11
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包丁を振り回して抵抗する人も…強制執行の壮絶現場

強制執行は新たな生活のスタート?

 基本的に強制執行で発生したお金(荷物の運び出しなど)は、強制執行を依頼した人間が支払うことになる。住宅ローンであれば、競売にかけられた家を購入した買い主。家賃未払いの場合は、大家さんが負担することになる。金額はさまざまだが、「動員する作業員数(1人あたり2万円前後)+トラックの積載量(2トントラック満載で8万円前後)+アルファ」がベースになるという。 「お金が払えない大家もいますからね。泣き寝入りするケースもありますよ。以前、千葉県のとあるテナントを強制執行する依頼が来たんですが、見積もりが高すぎてテナントオーナーが諦めていました」
強制執行の現場

執行現場にはゴミ屋敷はもちろん、死体のある場合も……

 強制執行にはする側、される側、それぞれにドラマがある。Kさんは強制執行の現場に立つとき、中立であることを心がげているという。 「なかには、身寄りのない高齢者やトラブルに巻き込まれただけの被害者なんて人もいますからね。そんな人たちを家から追い出すわけですから……いくら裁判所の決定とはいえ、心が痛まないわけがない。ただ、強制執行されれば、債務者も債権者も新しい生活が迎えられます。私たちはそれをサポートするだけです」  格差社会と言われる現代の日本。非情な強制執行は今もどこかで行われているのかもしれない。 <取材・文/慎虎俊>
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