スポーツ

楽天・福井優也投手、完璧主義を捨てる「7回無失点より6回3失点」

 3月29日、平成最後の開幕を迎えるプロ野球。今年は古巣に舞い戻った新監督から、昨夏甲子園を沸かせたルーキー、復活を誓うベテランや大改装を施した球場まで、話題は満載だ。秋に新元号で初の美酒を味わうのはどの球団か?

福井優也投手 撮影/渡辺秀之

常勝軍団・広島からトレードも妻と黒田の言葉に再起を誓う


 ’10年、ドラフト1位で広島に入団。同じくドラ1の斎藤佑樹(日本ハム)、大石達也(西武)と“早稲田三羽烏”として鳴り物入りで球界入りした福井優也。ここ数年は思ったような成績が出せず、プロ9年目・31歳を迎えた今季、トレードで楽天に移籍した。初めて別のユニフォームで迎えるシーズンに「すべてが発見。新鮮な気持ちでやれているし、すごく楽しいですね」と柔和な表情を見せる。

 2月25日の古巣・カープとの練習試合では3回無失点、3月13日のDeNAとのオープン戦では5回2失点で、テンポよく、57球で試合をつくった。いずれも初回にピンチを招きながら、見事に立ち直った。すでに開幕ローテーション入りを決定づけている。

 DeNA戦後に話を聞いたが、「別にローテが確定しているとは思わないです。ちょっとしたことで変わると思うので、今後も気を抜かないよう自分のできることをやるつもり」と福井。続けて初回に再びピンチを招いたことで、むしろ「終わったと思った」と明かす。

「緊張もあったし、感覚もよくなかった」。それでも切り替えられた理由は、「今日は投げられない日なんだ」と開き直ったからだと言う。

「毎試合すべて違うけど、このときは低めの意識とストライク先行がうまくいきました」と振り返る。

 キャンプインから調子は「悪くない」。「すごくよいというのもないけれど、それでよいのかなと。いろいろと慎重になれますから」と俯瞰して自己分析する。

「今年に懸ける覚悟」というフレーズを掲げて、心境を尋ねに行ったのだが、想像されるような「秘めた熱い思い」とは対照的な「率直で冷静な考え」を語った福井。まるで、そんな時期はとうに過ぎて、腹を括ったかのようだ。聞けば、自身が変われたきっかけは、結果が出なかった時期だという。

 ’17年に長年交際していた一般女性と結婚した。当時、広島で不調にあえぐ福井に、「野球を知らない素人」(福井談)の妻が、こんな言葉をかけたという。

「あなたは何を求められてるの?」

 目が覚める思いだったという。

次のページ 
黒田博樹さんからも助言されていた

1
2





おすすめ記事