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小林誠司がトレードされない巨人のチーム事情。数字から読み解く

編成数からプロ野球を考える

キャッチャー ここ数年、話題が尽きない巨人の正捕手論争。大城、炭谷、岸田、そして現在2軍にいる小林誠司。小林の強肩は球界トップレベルであることには異論はないだろうが、どうにもチームでの評価が高くないのが現状だ。  どうせ1軍で使わないならトレードしてあげればいいのに……というファンの声は多い。日本代表にも選ばれたことのある実績と未だ健在の強肩があれば、欲しいと思う球団はありそうだ。実際捕手はなかなか替えの効かないポジションなので、トレードに関する報道は尽きないことに加え、ここ数年は常にトレードの話題が上がるものの、実現には至っていない。  一部からは「飼い殺しなのでは?」という声もあるが、最近の巨人はむしろ積極的にトレードを推奨している球団なのは野球ファンならご存知のとおりだろう。今年だけでも既に田口=廣岡のトレードや、山本泰寛が阪神へ金銭トレードされたりと、むしろ飼い殺しをしない球団である。では、なぜ小林誠司は2軍のままトレードにも出されず在籍しているのだろうか。支配下登録の選手数から考察してみた。

巨人は3軍まで合わせて捕手9人 これ以上捕手は減らせない

 その答えは、巨人の捕手数にある。現在巨人で支配下登録されている選手のうち、捕手登録は6名、そして育成は3名で合計9名しかいないのである。育成選手は全体で27名いるのだが、割合を見ても捕手率は低い。同じく3軍を持ち、22名の育成選手を抱えるソフトバンクも育成捕手は3名だが、支配下登録の捕手が7名と一人多い。  基本的に1チームで3人の捕手を用意するのが普通であることを考えると、ソフトバンクは1軍、2軍、3軍の3チームで合計10人の捕手がいるために余裕が一人分あるわけだが、巨人にはそれがない。もし捕手に故障者が出れば、どこかで捕手2人体制で試合に望まなくてはいけない状況が生まれることになるのだ。  今年のキャンプで石川慎吾内野手が捕手練習をしていたが、「1軍クラスの捕手が豊富な巨人に必要か?」と思うファンも多かっただろう。原監督は「危機管理」とコメントしていたが、2軍や3軍の捕手数を考えればすでに危機管理が必要な状態であることは数で示されていたのである。  こんな状態で小林誠司をトレードに出すのは現実的ではない。コロナ禍でいつ選手が感染しメンバーが不足するかわからないシーズン。捕手が足りなくなることは絶対に避けなければいけない。巨人に捕手を放出する余裕は選手数視点では「ない」のだ。
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捕手の数の適正数
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