スポーツ

中田翔は巨人以外に行き場がなかった…カネと恩の裏事情

暴行で無期限出場停止処分に

中田翔 後輩への暴行事件が報じられたことで無期限出場停止処分を日本ハムから言い渡され、その後20日に巨人へ電撃移籍した元日本ハムファイターズの中田翔。移籍後、さっそくホームランを放つなど、結果を残している。  今回の移籍には日本ハム、巨人それぞれの思惑、そして巨人以外に中田が行けなかった事情があるという。 「暴行事件だけでなく、その後も闇カジノ関係者を球場に招いていたことなどが暴露された中田の存在は日ハムにとって頭の痛い存在だった。ここ数年は毎年移籍話が出ていたように、日ハムとしてはなんとか出て行ってもらいたかった。  ある球団関係者はその素行の悪さについて『しっかり育てられなかったのは、球団の責任』とボヤいていたくらいです。今回の一件は日ハムにとっては『渡りに船』の出来事。  これを口実としてシーズンオフに大幅な減俸、さらに今年は3年契約の最終年だったので、さもすれば解雇までできたわけですからね」  と語るのはスポーツ紙デスク。しかし、事態は「巨人への無償トレード」という、思わぬ形で決着を向かえることとなる。 「栗山監督から原監督へ直接電話があって、とんとん拍子に話が進んだようです。12球団の中で監督の一声で選手人事を動かせるのは、原監督だけ。  他球団の場合は編成と親会社が協議して……と時間が掛かるが、原監督はフロントと親会社の両方を“握って”いますからね。『原監督が言うなら仕方がない』というほど、原監督の権限が強いんですよ」

なぜ巨人だったのか?

 加えて巨人以外に中田が移籍できない事情があると、このスポーツ紙デスクは指摘する。 「通常、シーズン中の移籍では移籍先が年俸を残りの日割りで支払います。中田の場合、3億4000万円と公表されているので、シーズン途中からの加入でもかなりのカネが必要となります。1億円以上のカネをポンと払えるのは巨人くらいなもんです。  カネが払えるというならソフトバンクも同様ですが、暴行事件を起こした選手をわざわざ1億円以上も払って獲得したいかということ。日ハム側も同一リーグへの移籍は容認しがたいものがありますしね。  加えて巨人は日ハムに恩がある。不倫騒動で大恥をかいた二岡智宏(現巨人三軍監督)を引き取ってもらった過去がある。こうした事情を鑑みても中田が行ける場所は巨人以外になかったんです」  日ハムとしては厄介払いができ、巨人としても6月下旬に退団したメジャー通算196本塁打のスモークが抜けた穴を埋めることができたというわけで、Win-Winなトレードとなったようである。
次のページ
中田を待ち受ける茨の道
1
2
おすすめ記事