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モー娘。AKB…平成から令和のアイドル新時代まで総まとめ

アイドルブーム復活の狼煙を上げたモーニング娘。

 そしてJ-POPの波に押されるなか、’97年にアイドルブーム復活の狼煙を上げたのがモーニング娘。(以下、モー娘。)だ。 「彼女たちからアイドルが『スカウト』から『志願』の時代になった。これ以降『やる気のあるアイドル』しかいなくなりました」(吉田氏)  事実、モー娘。が登場したバラエティ番組『ASAYAN』(テレビ東京)は歌やダンス以上に彼女たちの頑張りをドキュメンタリーで見せるものだった。アイドルは可愛く、応援したくなる存在。ただ、モー娘。以降は、パフォーマンス以上に彼女たちの「努力」を応援するものになっていく。
モーニング娘。

モーニング娘。’19『ベスト!モーニング娘。20th Anniversary【通常盤】』

 TPDの「ライブ」とモー娘。の「努力」。それをかけ合わせたのが平成17年デビューのAKB48といえるかもしれない。AKB48劇場では最前席から数十センチの距離でアイドルが踊る。その、ライブそのものの刺激はファンに大きな衝撃を与えた。そこに、アイドルと直に触れ合える「握手会」が加わり、さらに応援する気持ちは跳ね上がる。 「AKB48によってアイドルが『接触』の時代になりましたよね。それまで『アイドルとは会えない存在』ということで売ってきたのが、数万人と接触することでライブ活動をドーム規模にまで広げることができるのを証明しました」(吉田氏)  また、握手に加えて選抜総選挙など、彼女たちの努力が「競争」と結びつくことで、日本音楽史に残るCDセールスを叩き出した。

AKB48人気で火がついたアイドルブーム

 AKB48人気で火がついたアイドルブームの中、さらに大きく影響を与えた2グループがある。まず、大手事務所ながら路上ライブや異色コラボなどで成功の階段を上がっていったももいろクローバーZ。 「彼女らの登場によって、アイドルがカルチャーになった。他ジャンルとコラボして、自分の土俵に引きずりこむアイドルです」(吉田氏)  また音楽ライターの南波一海氏は、平成アイドルシーンで受けた衝撃のひとつに、本格的なバンドサウンドでアイドルライブの光景を変えたBiSの存在を挙げる。 「全裸で樹海を走る『MyIxxx』のMVに代表されるギリギリのプロモーションは強烈でした。今の時代にやったらアウトですね」
BiS

BiS『MyIxxx』

 この両グループの登場以降、全国にアイドルが大量に誕生。今年10周年を迎えるアイドルフェス・TOKYOIDOLFESTIVALのような「アイドルの甲子園」的な目標の場が生まれたこともあり、シーンは拡大していった。  昭和の時代は、手の届かない存在だったアイドル。平成の時代を通して、アイドルは身近な女のコが、自らが望む姿になろうと努力する過程を応援するものになった。
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令和時代のアイドルシーンはどうなる?
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