仕事

「俺を誰だと思ってるんだ!」シェフのパワハラで困惑する現場

 レストランで料理の味を左右するのはシェフの腕前であることは言うまでもない。だが味だけでなく、シェフ次第では、働く現場の空気も変わってくるとレストランのオーナーは言う。それによって、優秀な人材が辞めてしまうこともあるそうだ。

シェフの権限は絶対

シェフ

写真はイメージです(以下同じ)

「料理界ではシェフ(料理長)の権限は絶対な場合がほとんど。特に現在40歳以上は、先輩から『シェフがもっとも偉い』と仕込まれていることも多いため、絶大な権力を持っていると思い込んでいる。それが店にとって、大変な脅威となることがあります」  そう語るのは、港区や目黒区、渋谷区など、都内に複数のレストランを持つオーナーの川口聡さん(仮名・51歳)。料理にこだわるシェフと、利益を出さなければならないオーナーが対立するのは、ありがちな図式だろう。 「客が少ないとオーナーに対して、不平や不満を口にします。でも満席になると『オレのおかげ』と自分の手柄として威張る。称賛することと給料をアップすることを常に要求してきて…」  複数の店舗のシェフからこうした要求が繰り返される日々。川口さんのストレスは半端ないという。 「シェフだけの給料を上げるわけにもいかず、仕方なく食事を奢るという逃げに走ります。彼らはここぞとばかりに高級な料理やワインを注文します。そのくせ『ここの料理はまだまだだな』というエラそうな態度も取る。他の店のオーナーも僕と同じような愚痴を吐いています。ほんと憂鬱ですよ」  あんまりな言い方にも感じるが…ともかく、この会社はシェフとオーナーの関係が最悪のようだ。  

シェフがパワハラでマネージャーを退職に追い込む

レストラン 「僕が新規オープンする店に、30代後半の女性のホールマネージャーを雇ったんです。キャリアもあるし、他の店舗から転職したため、お客さんも持っています。新規の店にとって、集客できるマネージャーは貴重。期待通りに女性マネージャーのおかげで満席が続き、口コミでさらに人気店になったんです」  だがその女性に、シェフは過剰なほどすり寄っていったという。 「最初はマネージャーを褒めまくってから、閉店後に必ず食事に誘ったらしく。ところがマネージャーが2回目の誘いを断ると、翌日から彼女がお客様から聞いた注文を入れても、無視するという仕打ちをし始めたんです。『注文? 聞いてないよ』なんて言って、彼女の足を引っ張っていたと他のスタッフから聞きました」  いい料理を作るために多少横暴になるのは理解できるが、これではただのパワハラだ。 「マネージャーは仕方なくシェフの食事の誘いを受けますが、だんだん『何のために頑張っているのか』とつらくなり、その後、店を辞めてしまいました。恥ずかしながら僕は、その時に初めて、彼女が受けた仕打ちを知ったんです」
次のページ 
注意に逆ギレ。「俺を誰だと思ってるんだ!」と一喝され
1
2
Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事