9月4日に逃犯条例改定の完全撤回が表明されたものの、いまだにデモが収まる気配のない香港。以前、香港の夜の街の様子を現地の人に取材したことはあるが、この度、渦中の香港に誘われる機会があったので突如行くことになった。
香港はどうなっているのか?
その昔、香港の日本人キャバクラで働いていたことのある筆者。主要の観光地にはほとんど行ったことがあるが、現在はどのような状況になっているのだろうか? デモ中の香港でも観光はできるのだろうか? 現地に行って調査してきました。
航空券は破格の安さ。デモの影響?
SNSやツイッターなどのリアルタイムを見る限り、「渡航はおすすめしません」という書き込みが耐えない現在の香港。お盆中には香港国際空港で行われたデモの影響でゲートが封鎖されたというニュースも記憶に新しい。
その影響なのか、渡航の直前に取った航空券はLCCで2万3000円と破格の安さだった。渡航当日、関西国際空港から香港に向かう。東京は台風15号の発生で飛行機の遅延もあったそうだが、関空では特に大きなトラブルもなく飛行機は定刻通りに出発。約4時間のフライトの後、香港国際空港に到着した。
事前に現地在住の日本人に聞いていた情報は
2つ。
「
デモは基本週末だけなので平日は空港が閉鎖されることは恐らくない」
「
黒と白の服はデモ隊と間違われる恐れがあるので着ないほうが良い」
その情報通り平日に、さらに服装もベージュの服で渡航したわけだが……空港はいつもよりもかなり空いていてちょっと拍子抜け。入国審査も特に並ばずに、すぐに入国することができた。
まずは空港からエアポートエクスプレスで香港駅へ向かい、そこからホテルまでシャトルバスで向かう。バスの中から町中を見る限り、特に変わった様子はない。少し渋滞はしているものの、以前と変わらない香港の街がそこにはあった。ホテルに到着して荷物を置いてさっそく観光地へ行ってきました。
女人街のある旺角
まずは九龍・旺角(モンコック)にある「女人街(ノイヤンガイ)」へ。ガイドブックには必ず載っている人気のナイトマーケットで、女性向けのアクセサリーや雑貨、化粧品、そして下着などがチープな値段で売られている。普段は歩いていると人にぶつかるほど混雑している女人街だが、やはりデモの影響なのだろうか、店が最も混雑する夜21時近くだというのに客は驚くほど少なかった。
女人街の様子
また、普段は数十メートルに並ぶ露店の数は3分の2程度しか出ていない。そのせいか、普段はあまり客引きをしない露店の店員が積極的に話しかけてくる。混雑していないのでゆっくりと買い物を楽しむことができそうといった印象を抱く。
旺角は7月に大規模なデモが起き参加者と警察隊で衝突したこともあり、在香港日本人からは「旺角はあまり行かないほうがいい」と言われていた。
女人街は空いていたが、駅周辺を見る限りいつも通りの人だかりで、以前と変わらない様子に見えた。
男人街周辺
続いて、同じ九龍サイドにある「男人街(ナンヤンガーイ)」。地下鉄・佐敦駅の近くにあり男性向けの衣類やスニーカー、雑貨などが売られている女人街と並ぶ人気のナイトマーケットだ。男人街では路面店のレストランで海鮮料理が食べられるため、いつも路上にはたくさんのテーブルが並んでいて観光客で賑わっている。
男人街の路面レストランで中華を食べる
しかし、人は少なく路上にテーブルを並べているレストランは3軒ほど。また、雑貨などが売られている露店の数も少なく露店商もやる気がなさそうに見えた。同じ九龍サイドなのに女人街のある旺角とは違い、周辺の人通りも少なかったのには理由はあるのだろうか。