更新日:2023年04月19日 21:03
お金

ただの中古車じゃない!「希少車」のすすめ。テージス、エアトレック ターボR…

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。私はこれまで数十台のクルマを買ってきたのですが、そういった経験のなかから、中古車はお得だと考えています。特に今の時代は、総額50万円程度の中古車だったとしても、新車と体感できるほどの性能差が少ないと感じます。

斉藤由貴生

 まして、日本の中古車は世界的に見ても良質で、海外から仕入れに来るバイヤーが大勢いるぐらい。つまり日本は中古車天国。私達は、恵まれた環境にいるわけです。  私は腕時計投資家なので、モノの価格変動に興味があるのですが、クルマも価値が下がりづらいモノを買うことが重要だと考えています。しかし、これまでの事例では、クルマの価値が将来的に上がるという事例はあまりなく、「いかに買った値段に近い価格で売却できるか」ということが重要でした。  とはいえ、総額50万円といった激安中古車ならば、その価値はほぼ下がりきっているため、例え売るとき0円になってしまったとしても、その支払総額は50万円。新車を買うより安く済むかと思います。  けれども、そんなクルマ界隈において、最近様子が変わりつつあると感じるのです。

クラシックカーじゃなくても価値が上がり出した!?

 これまで、価値が上がるクルマはクラシックカーなどに限られるという印象でしたが、近頃は近代的なクルマでも価値が上がるようになったのです。  例えば近年、ポルシェ911の空冷世代の価値が上昇したというのは、カーマニアの中では有名ですが、日産スカイラインやホンダNSXなども最近は上昇傾向にあります。そのような価格変動に影響を与えているのは、海外でも日本車が評価されているなど、様々な要素があるようですが、いずれにしても価値が上がるクルマが増えたということが重要だと感じます。

空冷最後のモデル993型ポルシェ911

 また、最近メルセデス・ベンツは、旧世代のクルマを中心とした「All Times Stars」を展開。メーカー自身が旧世代のクルマの販売やサポートにも力を入れています。メーカーにとっても、自社のクルマの価値ということは重要だと考えている様子であります。  メルセデス・ベンツの名車、500E/E500のクラブ「FIRE AND SILK」が行ったイベントでは、メルセデス・ベンツミュージアムの方が登壇していたのですが、その方いわく「これから注目のクルマ」というテーマの答えとして、なんとCクラス・スポーツクーペを挙げていたようなのです。  Cクラススポーツクーペは、2001年に登場したCクラスの廉価グレードに相当するシリーズで、BMWの3シリーズコンパクト(ti)に対抗したモデルです。このような廉価車種は、往年のファンからは「邪道」と言われ、あまり評価されないことも多いでしょう。しかし、メルセデス・ベンツミュージアムの方がそのクルマに対し「これから注目」と言ったのです。こういった感性はとても重要だと思います。

Cクラススポーツクーペ

 なぜCクラススポーツクーペが注目なのか? その理由は「希少であるということはそれ自体が尊い」とのこと。腕時計投資家としては、この感覚はとても理解でき、さすが!と言わんばかりの素晴らしい感性だと思います。  このCクラススポーツクーペは、現在、そこそこの状態でも総額40万円台で購入可能。まだ評価されていない「希少車」といえるでしょう。もしも、今後評価されたならば、当然ですが、現在の40万円台という価格は「かなり安かった」ということになります。  将来的に価格が上がるか否かはわかりませんが、もしも価値が上がったならば、「安いうちに買っておけばよかった」となるでしょう。また、全く市場に出てこなくなるかもしれません。そういった意味では、将来、購入難易度が上昇する可能性があるのが希少車だといえるわけです。  もちろん、価値が上がらなかったとしても、希少車の所有満足度はとても高いのも確か。私は、これまで様々な希少車に乗ってきましたが、「人とかぶらない」という感覚は、なんともいえない良さがあります。そして、日本には現在、様々な希少車が存在。そういった希少車でも、多くの車種は、一般的な中古車価格で購入することができるのです。

筆者が希少車3台を同時所有していた頃。右から日産マーチカブリオレ(生産台数約3000台)、三菱プラウディア(約1200台)、日産レパードJフェリー(約7000台)

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オススメの希少車は?
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

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