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“白タク”が横行する実態。中国人観光客を狙っていくら稼ぐのか

 大勢の外国人観光客が行き交う五輪期間中は、電車、バス、タクシーなどの交通機関がパンクすることが懸念されている。そんな需要を狙いすまし、無資格営業のタクシー、いわゆる“白タク”が中国の富裕層を中心に外国人の間ではやっているという。取り締まりは厳しくなっているが、空港周辺や銀座エリアではいまだに白タク行為が横行しているという。
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取り締まりで「知り合いだ」と豪語するケースもあるという

白タクがSNSを使い、貸し切り利用の中国人富裕層を狙う実態

 中国人相手のビジネスに詳しい山本祐二さん(仮名・38歳)に話を聞いてみた。 「白タクは利用する客も営業しているのも中国人がほとんどだね。ちょくちょく摘発されたりもしてるけど、都心のほうではまだ全然走ってるよ。六本木とか銀座とか、都内の繁華街や人気の買い物スポットで見かけることが多いかな」  山本さんによれば中国の富裕層は電車やバスにいいイメージを持っておらず、車移動することが一種のステータスなのだそう。そこで本当は自分で運転したいが、中国の免許ではレンタカーが借りられないため、一日レンタルする感覚で利用する人もいるのだとか。 「白タク業界からしても五輪は絶好の稼ぎどき。公共交通がパンク状態になるから、大きな荷物を持った外国人旅行者は躊躇なく白タクを利用するよ。当然、白タクをやるヤツも増えるだろうね。すでに都内だけじゃなくて、地方のハブ駅にもいるぐらいだから」 TOKYO五輪で稼ぐ! しかし、そんな白タクの開業資金はいくらかかるのだろうか? 参考までに個人1台での開業資金を聞いてみたところ、「ゼロから始める場合、トータルで大体200万円ぐらいが相場だね」と山本さん。内訳は、車体の購入や整備などの設備資金に80万円、ガソリン代やメンテナンスなどの運転資金に80万円、他に車庫代や保険料など。しかし、これらをすでに持っている場合は、半額以下の100万円程度に抑えることができる。では、いくら稼げるのか? 「都心でガッツリ動いてる白タクは年間500万円前後稼いでるよ。白タクは単価も契約条件も客との交渉になるから、それこそ一日レンタルのVIP待遇で高単価の客があれば、1か月でも200万円近く荒稼ぎできるはず。一般企業で働いている人でも夏休みを取って貸し切り7時間5万円、それを一日2回こなせば10万円になる。開催期間とその前後の1か月で初期投資は軽く回収できるよ。中国人ドライバーは『微博』なんかのSNSを使って、日本に来る富裕層に直接営業をかけてるみたいだね」  そんな違法行為な“白タク”の実態に、法改正の動きも出ている。現在、自家用車を使ったタクシー業務は過疎地などで「自家用有償旅客運送制度」として例外的に認められているだけだが、政府が制度の拡大に向け「見直しが必要」と指示している。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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