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強烈な感情が自分をつくる。理屈を追いかけても自分は見つからない

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第134回
自己啓発

※写真はイメージです

 ロバート・アンソニー著 『自信エネルギー開発法』(日本教文社)という自己啓発書がある。「自己信頼」をテーマにして目標設定や人間関係、時間管理について説いた内容だ。この本の序章にこんなくだりがある。 「なにが私たちを羊のように互いの後に従わせるのだろうか。例えば、なぜ人は結婚するのか。なぜ学校を卒業すると住まいを構えるのか。友達と同じことを同じ時にしようとするのはどう言うわけか。自分にとってそれは今必要なことではないかもしれない。もしかしたら、もっと前にすべきことだったかもしれないし、永遠に不必要なことかもしれないのだ。羊の群れから離れ、仲間と違ってしまったと自分を責めることはない。神から与えられた人間としての権利を主張し、盲目的協調や画一化によって人生が汚されることを拒むなら、私たちの悩みははるかに軽くなるだろう」  このくだりを読んだ時、中学生だった私はとても心を揺さぶられた。ごく当たり前に学校に通っていた私には、「周りと同じことしなくてもよい」という発想が微塵もなかったからだ。それ以来、自己啓発書をよく読むようになり、さらに二十年以上経って自分が「人生を変えるマインドレコーディング」と言う自己啓発書を書くことになった。  自己啓発は自分を知るためにある。では、ここでいう自分とは何か。それは感情だ。強烈な感情を体験すると、それが自分の価値観になり、その後の行動や発言が規定される。もちろん、この仕組みがプラスに働くとは限らない。勇気は勇敢な自分を生むが、恐怖は臆病な自分を生むからだ。大切なのは、自分の感情を自覚できていることだ。  どんな感情も次第に薄れていく。どんな感動も、一週間や一ヶ月や一年といった時間が経つと、「そんなこともあったな」とフラットになる。しかし、それは感情がなくなったわけでも、その影響がなくなったわけでもない。フラットになった感情は潜在化して、自分でも気づかない心の奥から、自分の言動を規定するのだ。  ただ、感情はコントロールが難しい。いきなり「怒れ」と言われても怒れないし、「悲しめ」と言われても悲しめない。これは仕事やスポーツで、「やる気を出せ」とか「情熱を持て」と言われても、「はい、わかりました」とは行かないことに通じる。
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どうすれば自分の感情を自覚できる?
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