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読書から学ぶべきはロジックではなくパッションだ

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第132回 ディズニー トム・コネラン著『ディズニー7つの法則』(日経BP社)というビジネス書がある。異なる業種で働く5人のビジネスマンが、ディズニーのテーマパークで研修を受けるというストーリーのフィクション作品で、30万部のベストセラーになった。  この本はビジネス書ではなく、自己啓発書として読むこともできる。内容がロジックだけでなく、パッションにも及んでいるからだ。たとえば研修に参加した主役の一人、ドンが高校時代のフットボールのコーチから教わった言葉として、次のようなものがある。 「勝ちたいと思うだけじゃダメだ。勝ち負けがあるゲームなら、誰だって勝ちたいと思う。俺はな、ボストンマラソンに出て勝ちたいと思っている。でも、わかるだろ。絶対に勝てっこない。本気で勝とうとは思っていないからだ。マラソンに情熱を持っていないからだ。いいか、意欲と情熱がなけりゃ、お遊びで終わる」  私はこの文章を読んだ時にとても心を揺さぶられた。何度も読み返して、情熱について考えた。自分の本を書いていて、なかなか思うように進まない時も、この本を読んで「絶対に書き上げてみせる」と奮起して、実際に書き上げることができた。  自己啓発書から学ぶべきなのはロジックではなくパッションだ。そもそも自己啓発書をロジックという視点から見たら、どれも優先順位の話でしかない。目標設定も時間管理も部屋掃除も、優先順位の高いものにいかに集中して、優先順位の低いものをいかに取り除くかが語られている。
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「自己啓発書なんてどれも同じ」と言われる理由
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