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春の選抜甲子園、21世紀枠出場校を予想。一般枠の当落に影響も

 つい先日、来年春の選抜甲子園出場につながる21世紀枠9地区の推薦校が決定した。そこで今回はこの9校から最終的に選ばれる3チームを予想してみたい。まずは21世紀枠の簡単な説明から始めてみよう。

21世紀枠とは?

 新チーム結成後の秋の公式戦の成績をもとに選考される一般枠と違って、部員不足などの困難な練習環境を克服したチーム、文武両道で他校の模範となるチーム、ボランティアなどでその地域に貢献したチームなど野球以外の要素を選考条件に加え、甲子園出場のチャンスを広げる目的で2001年から導入された特別枠である。  さらに、原則秋季都道府県大会で16強以上(加盟129校以上は32強以上)の成績を収めていることも条件で、今回は以下の9校が来春選抜の21世紀枠候補に選ばれた。 北海道……帯広農(北海道大会4強) 東北……磐城(福島・県大会3位→東北大会8強) 関東……宇都宮(栃木・県大会8強) 北信越……敦賀(福井・県大会準優勝→北信越大会8強) 東海……近大高専(三重・県大会優勝→東海大会初戦敗退) 近畿……伊香(滋賀・県大会4強) 中国……平田(島根・県大会準優勝→中国大会8強) 四国……城東(徳島・県大会3位→四国大会8強) 九州……本部(沖縄・県大会8強)  以上の9校のうち東日本(北海道~東海)から1校、西日本(近畿~九州)から1校。そして残り1校は地域を限定することなく選ばれる。ということで、まずは東日本から選ばれるチームを予想していきたい。

東日本……’95年夏以来の聖地凱旋に待ったなし?

近畿大学工業高等専門学校

画像:近畿大学工業高等専門学校HP

 十勝地域の農業の担い手を育成している帯広農、東北大会開催中に台風19号で被災したにも関わらず、2勝を挙げ、ベスト8の成績を残した磐城、部員わずか19人で秋の県大会ベスト8進出を果たした宇都宮、手作りの狭いグラウンドで練習を工夫し、北信越大会8強入りした敦賀、近年戦力が安定し、秋の東海大会にまで出場、さらに高専初の甲子園出場の期待がかかる近大高専……以上が東日本の21世紀枠の地区推薦校の推薦理由だ。  さらに磐城、宇都宮、近大高専は文武両道の実践校でもある。普通に考えればこの3チームが有利だが、中でも一歩抜けていると思われるのが磐城。まず、他の2校に比べ、地区大会の成績が勝っていること。そして同校は1896年開校と県内きって歴史を誇る名門校であること。さらに’71年夏の甲子園では“小さな大投手”と呼ばれた右腕・田村隆寿の活躍で準優勝を果たしており、今回選出されれば“古豪復活”という話題性もあること。地元・いわき市は台風の被害に見舞われたが、地域のために貢献した点も併せてアピールポイントは多く、東日本からはこの磐城が選出されるとみている。

西日本……まさに“3度目の正直”状態で初悲願なるか

沖縄県立本部高等学校

画像:沖縄県立本部高等学校HP

 豪雪地帯にあるため、冬季は除雪などで地域に貢献している伊香、野球人口拡大のために実施している野球体験会が中国地区各地に普及しているだけでなく中国大会でも自身が8強入りした平田、県内屈指の進学校で部員数も少人数ながら創意工夫した練習で四国大会のベスト8まで進出、文武両道のお手本ともいうべき城東、編成整備計画で統合が検討されたことがありながらも秋の県大会では全国大会常連の強豪・沖縄尚学に惜敗した本部……と、こちらもバラエティに富んだ推薦理由となった。  ここに地区大会の実績も加味して考えると平田と城東の一騎打ちという構図だろう。ただ、前回の大会でも同じ徳島県の公立校・富岡西が21世紀枠で選ばれている点が城東にはマイナスか。逆に平田は’15年と’19年の過去2度、中国地区から推薦されたものの、2度とも選外となり、21世紀枠の補欠校に終わっているという無念の過去がある。あと一歩で甲子園ながら、そのチャンスを逃し続けているチームを別枠で選抜に出場させるというのも21世紀枠の趣旨のひとつ。となれば、平田にとって“3度目の正直”となる今回、初の吉報が届くのでは……と希望込みで予想する。
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激論必至の最後の枠はこの2校の一騎打ちか
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