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“役者”長渕剛が20年ぶりにカムバック! 俳優業を再開させた理由とは

記憶に残る「家」の風景

――結婚できなかったり、子どもに恵まれなかったりする人もいますが、そのようなケースはどうでしょう。 長渕:僕の友人で、結婚して子どものいない家庭もあります。でも、羨ましいくらい仲いいですよね。出会ったときみたいなすごい仲良し。いい年なのに手をつないでどこでも行く。それぞれだと思うんです。夫婦が最後まで一緒に生きていくって決めているのであれば、そのなかで子どもをどうやって育てるのか、子どもを持たずにどう生きていくのか、当然いろんなスタイルがあっていい。それに「子どもを育ててあげる」という意識を持つ親も多いかもしれないけど、そういうことではまったくなくて、むしろ「子どもに親が育ててもらっている」という意識を抱くべきです。 ――長渕さんの記憶に残る「家」の風景は何でしょうか。 長渕:ザクロの木ですね。家の庭にザクロの木がたまたま1本あって。老木なんですけど、必ず秋口から冬にかけて大きなザクロの実がざっくりとなる。そこにいろんな鳥が食べにくるんです。ブランコを作ってよく子どもと遊びました。今は添え木をやってますけど、僕のなかで子どもたちとの思い出であり、家族の象徴です。 ――ご自身が子どものころの両親との思い出は? 長渕:母は父とケンカした次の日の夕暮れどきに、必ず僕の手を引いて山の水源地に連れてってくれましたね。てくてく登っていくと、だいたい雨上がりで、水滴がキラキラ、まるでミツバチやチョウチョが飛んでるような記憶。天国のような場所でしたね。切り株に座って、ずっと夕焼けを見ながら母が歌を歌う。僕はその背中を見て近づけない少年でしたよ。かーちゃん、悲しいんだろなって。母は「ごめんね、つーちゃん。昨日は父ちゃんとケンカして」なんて言うんですね。夕焼けを見るとそれを思い出します。 ※12/24発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです 【Tsuyoshi Nagabuchi】 ’56年、鹿児島県生まれ。’78年、「巡恋歌」で本格デビュー。数多くの人の魂を揺さぶる曲を生み出す。主演映画『太陽の家』は’20年1月17日全国公開。同日に主題歌「Orange」のCDリリース決定。映画出演はほかに飯島直子、山口まゆ、潤浩、瑛太、広末涼子ら 取材・文/中村裕一 撮影/松田忠雄 ヘア&メイク/フルタ スタイリング/松純
株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter
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週刊SPA!12/31・1/7合併号(12/24発売)

表紙の人/ 長渕 剛

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