長渕剛・伝説の富士山ライブ 「ある意味やりきった感はある」とのファンも
少し日数が経ってしまったが、去る8月22日(土)の21時~8月23日(日)6時半にかけて、長渕剛(58)が自身の集大成として挑んだ大勝負『長渕剛10万人オールナイト・ライブ2015 in 富士山麓』が行われ、今もまだその内容に余波があるようだ。
「富士のふもとっぱら」という会場のヘンピさ、会場までの移動はシャトルバスのみで自家用車やタクシーでの来場は禁止など、開催前からハードルの高さで話題を呼んでいた。ネット上ではリアルタイムで「退場規制で、帰宅難民続出」「ライブ終了後、8時間経過。ただいま14時。まだ帰れそうにありません…」など参加者たちによる実況中継がなされ、数日経った今、違った意味で「伝説」となってきている。実際、現場の状況はどうだったのだろうか? 27年来の長渕ファンで、今回のライブにも足を運んだという会社員T氏(45歳)に話を聞いた。
「実は、僕はチケットを買っていなかったのですが、急遽募集のあったライブモニターで、運良く友人2人と行けたんです。会場近くのふじてんリゾートの駐車場まで車で行けば、『チケット代と駐車場代、駐車場⇔会場間のバス代は無料とさせていただきます』との触れ込みだったんですが、ネット上では『釣りでしょ?』といった声もあったし、正直、チケットを手にするまで半信半疑でした」
ところが現地に着くと、引き換え所で本当にチケットを2枚もらえたのだとか。15,000円+シャトルバスの交通費分で売られていたチケットがなんとタダ! これは紛れもない事実だ。では、無事会場に入れて、現状はどうだったのか?
「後方ブロックは空きも目立ったし、タバコ吸ったり、レジャーシートを敷いて寝っ転がりながら観てるような人も多かったですね。僕は04年の桜島にも行きましたが、あのとき(75,000人)より入っていない印象を受けました。はっきりした数字はわかりませんけども。あと、仮設トイレが2箇所にしかなくて、それぞれバカみたいに遠かったですね。僕は後方ブロックだったから、まだライブ中でも行きやすかったけど、前方ブロックの人はトイレ行くのも一苦労だったはずです。飲食店なんかは充実してたけど、お腹をクダしでもしたら面倒なので、飲み食いは最低限に控えました。計9時間半のライブ中、休憩こそ3回ありましたが、それを差し引いても実質6時間半。富士山が姿を現す瞬間や、日の出の瞬間は確かに感動的だったけど、終わる頃にはとにかく疲労困憊でした」
しかし、ライブの疲労に加え、さらなる疲労が。それが帰宅難民だ。
「退場規制で、唐突にリストバンドの『ア行』の人からの退場が発表されたんです。僕らは『ニ行』でしたが、1時間、3時間と、待てど暮らせど一向に呼ばれる気配がない……。携帯の充電はとっくにないし、やることがないから、ただただその辺でフテ寝。一部でピクニックなんて報じられていましたが、とんでもない! ブチ切れて、係員に突っかかるファンもそこら中にいましたよ。『上を呼べ!』とか言って。結局、僕らが会場を出られたのは14時55分。そこから、バス乗り場まで1キロの距離を徒歩で1時間。なんだかんだで家に帰ったのは、月曜の0時。土曜日の昼間に出発してから36時間後でした。ただ、帰りの辛さも含めてやりきった感はありました。今になって振り返れば、『社会に出たら、辛いこと厳しいことだらけだけど、丸ごとのみ込んで見ろよ!』って長渕の楽曲世界を丸ごと味わえる、希少な体験だったと感じています」
伝説として語り継がれることは間違いない今回のライブ。いいか悪いかの判断は、来場者それぞれが異なるようだ。 〈取材・文/仁村トヲル〉
- シャトルバスを降りてから、1キロ少々の道のりを歩いてふもとっぱらへ
- 会場の外れも外れに設置されていた仮設トイレ。休憩中は当然長蛇の列
- 豪華なステージセット
- ライブ終了後も帰れず、途方に暮れる人々続出
- 帰りのバスもこの混雑。「何チンタラやってんだよ! 空いてるバスも動かせよ!」との怒声が飛んでいた
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