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ライバルは中島みゆき、松崎しげる…渡辺真知子の知られざるデビュー前

―[クリスのお宝箱]―
渡辺真知子編 アナログ盤、CD、DVDなど約2万枚以上。さらに雑誌やポスター、グッズ、珍品なども所有し(現在も収集中)、アーティストからも認められるほどの大の音楽ファンのクリス松村が、MCを務める『ミュージック・モア』で秘蔵のコレクションからとっておきの1枚を披露!  1977年、『迷い道』で鮮烈にデビューした渡辺真知子さん。この曲で紅白初出場を果たし、セカンドシングル『かもめが翔んだ日』(1978年)で、日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。その後も『ブルー』や『唇よ、熱く君を語れ』などが大ヒットしました。 「シンガーソングライターはテレビで歌わない」という当時の常識を覆し、積極的に歌番組に出演し、抜群の歌唱力で一躍人気アーティストの仲間入りを果たしました。
渡辺真知子

今回のゲストは渡辺真知子です!

デビュー前はシンガーソングライターの登竜門“ポプコン”の常連

 そんな渡辺真知子さんの原点とも言えるレコードを「クリスのお宝箱」ではご用意しました。それは、「第11回ポピュラー・ソング・コンテストつま恋本選会ライブ・アルバム」です。  そのアルバムを見た渡辺真知子さん、「うわあ、懐かしいのが出てきましたね!」と目を輝かせました。
第11回ポピュラー・ソング・コンテストつま恋本選会のライブ・アルバム

1976年5月16日開催の「第11回ポピュラー・ソング・コンテストつま恋本選会」のライブ・アルバム

 レコードの帯には、こんなキャッチコピーが! 「湧き上がる拍手と歓声、感動の瞬間、あの日の思い出がレコードに……」  当時は、シンガーソングライターの登竜門だったポプコンですが、このレコードには、つま恋のステージで歌う渡辺真知子さんの『グッドマン』(作詞:田村真知子 作曲:山本健司 編曲:船山基紀)が収録されています。 「この歌を作ってくれた人のために、責任を感じて歌いましたね」と、真知子さんは懐かしそうに話してくれました。

“ポプコン”のライバルは中島みゆき、八神純子、庄野真代、松崎しげるだった!?

 渡辺真知子さんはポプコンの常連で、第9回~12回まで、4回連続して出場しています。(ポプコン本選会は5月と10月の年2回開催)  真知子さんは、自作曲で最初の2回、あとの2回は譜面応募曲の譜面歌手として出場しています。つまり短大在学中の2年間、すべてのポプコンの本選に出場していたことになるんですね。
クリス松村

このレコードを聴くと、デビュー前からボーカリストとして注目されていたことがよくわかります

 初めて出場した「第9回ポプコン」(1975年5月)は、その顔ぶれが、すごいんです!  優秀曲賞に『幸せの国へ』の八神純子さんと、『君の住んでいた街』の松崎しげるさん。入賞に『傷ついた翼』の中島みゆきさんと、『私はコスモス』の庄野真代さん。そして渡辺真知子さんは『オルゴールの恋唄』で特別賞を受賞。  続く「第10回ポプコン」(1975年10月)は、グランプリに『時代』を歌った中島みゆきさんが輝き、優秀曲賞に『わかってください』の因幡晃さん、入賞に『朝』の庄野真代さん。  渡辺真知子さんは自作の『小さな朝の世界』で出所していますが、惜しくも賞を逃しています。それでも、この2年間があったからこそ、1977年11月1日発売の、デビュー曲『迷い道』につながったわけです。 『オルゴールの恋唄』は、ピュアで可愛らしい少女のラブソングでしたが、『迷い道』『かもめが翔んだ日』『ブルー』と大人の恋を歌って、蕾から一気に花が咲くように、立て続けにヒットしました。
クリス松村 渡辺真知子

「渡辺真知子さんの歌声は、パワフルで、聴いていて元気が湧いてきます」とクリス

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50万枚の大ヒット曲がアレンジを変えてパワーアップ!
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タレント、音“楽”家(おんらくか)。 邦楽、洋楽問わず、音楽好きが高じて、番組出演にとどまらず、テレビやラジオの番組監修、構成、音楽解説なども手掛ける。TOKYO MX『ミュージック・モア』(毎月第1・第5土曜日午前11時30分放送)ではレギュラーMCを務める。

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