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「飲食店の家賃は下げるのが当たり前」コロナ禍の風潮に大家は…?

 4月16日、新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大を防ぐため、緊急事態宣言の対象地域が7都府県から全国に拡大された。全国的に不要不急の外出を控えるなか、売り上げが下がった飲食店からは悲鳴が上がり、家賃減免や猶予を求める訴えが相次いでいる。  所有する店舗物件で「テナントから3か月間20%減額の要請がありました」と語るのは、不動産会社を経営するハンドルネーム「諸星あたる」(@GundariumAlloy)氏だ。

※写真はイメージです(以下、同)

「いわゆる地主として関東郊外でロードサイド型店舗を、洋菓子を販売する企業に貸しています。車通りの多い幹線道路ということもあり、コロナ前の営業は順調そのもので20年以上営業してます。しかし、コロナで手土産需要がぐっと減ったこともあり、お客さんの数は半減しています。今は減った売り上げを埋めようと、ウェブ通販に力を入れてるようですが、そこまでは売れてない様子なので、減賃の要請も仕方ないと捉えてます。3か月限定の20%減額という比較的受け入れやすい内容だったので承諾するつもりです」

ロードサイド店舗の減賃交渉は日常茶飯事

 諸星氏によると、コロナ禍でない平時でも減賃交渉は契約更新に際して行われており、それには店舗建設のスキームが関係しているという。 「ロードサイド店舗を建設する場合、銀行ローン以外にテナント側から『建設協力金』として建設費用の一部を無利息で預託されていて、オーナーは建物完成後に毎月の賃料収入と相殺する形で預託金を返済します。賃貸借契約は15年程度が一般的で、建設協力金の返済が終わる頃に契約更新を迎えるのですが、契約の巻き直しで『今までの相殺分を家賃から値下げしてほしい』として家賃の減免を依頼されることが多いです」  こうしたテナント側の減賃要請に対して、多くの場合、オーナー側は快諾するとのこと。 「オーナー側も銀行へのローン返済が終わり余裕が出るのと、建物も経年劣化が進んでいることから、減賃を受け入れやすいタイミングです。建設協力金で建てられたロードサイド店舗は、アパートと違ってテナントありきの建物で潰しが効かず、余程の一等地でもなければ一度空くとすぐ次が埋まるとは限らない。なので次に入るテナントのアテがなければ、『出ていかれるよりマシ』と多くのオーナーが減賃を受けいれてますよ」  なかには東日本大震災の際、業績が回復するまでの約束で賃料の減額に応じて現在も継続しているテナントもある。 「本音を言えば、すでに契約更新などで減額している賃料を今回のコロナでさらに下げるのは受け入れがたい。しかし、この状況ですからお互いちょっとの間はやせ我慢するしかありません。苦しいときはお互いさまです」
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大家業は「土地のために働く薄利な商売」
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