日本では「異業種転職」が極めて難しいワケ。採用する側もチャレンジできない…
―[プロ経営者・中沢光昭]―
リーマンショックはジワジワと経済をなぎ倒し、ジワジワと回復させるようなトレンドを取りました。バブル崩壊は社会システムの在り方を根本から変えざるをえないような時代の転換を強いました。それに対して、コロナショックは一部の領域に「突然死」を強いるような冷酷な始まりで、さらには身体的なリスクを通じて「わかりやすい恐怖」を多くの人に与えた本当に酷い出来事です。
現在は政治的な事情もあり、「普段通りの生活」に戻っていこうとしています。株価も実体経済をまったく反映しないまま、人為的に盛り上がっていっているようです。そうして不安ムードに対して注目が弱まっていく間、多くの人がすでに職を失ったことが忘れられ、まだこれから失う人が出てくる恐れが高まってきています。
当然、コロナショックの推移にかかわらず、仕事を失ってしまった当事者は新しく仕事を探さなければなりません。
コロナ禍で深刻化する「業界格差」
「挑戦的な採用」が実現しない構造的問題
景気悪化局面においては尚更。今回、ダメージを受けた業種に属している人は仕事探しにおいて本当に苦しいと思います。
ここから当面は、企業組織における採用というのは混沌とした状態が続くでしょう。経営者としては「苦しいときほど優秀な人材も採りやすいだろうし、苦しい局面を超えて成長するためにいい人はほしい」というビジネスマンとしての思考回路があります。
しかし、その一方で経営者も一人の人間として「少なくともここからしばらく続くであろう不透明な時期だけでも、居場所を死守したい」とも考えます。悲しいかな、人間は自分さえよければとりあえずいいという人が大半です。
そうなると、人は雇いたいものの、「優秀でよく働いて自分たちの言うことに従順で、必要であればいつでも残業をいとわないタイプで、願わくば20代。あとコミュニケーションスキルもあって、外見も陰気なのはダメ。あ、念のため言い忘れないように、自分のライバルになりかねない即戦力なんてもってのほかね」という人材を望みます。
もちろんそんなことは求人票には書いてありませんので、意気揚々と「あんなことできます、こんなことやってきました」という意欲溢れる採用希望者がやってくるので、なかなか採用に至りません。
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株式会社リヴァイタライゼーション代表。経営コンサルタント。東京大学大学院修了後、投資会社、経営コンサルティング会社で企業再生などに従事したのち、独立。現在も企業再生をメインとした経営コンサルティングを行う。著書に『好景気だからあなたはクビになる!』(扶桑社)などがある
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