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【春の天皇賞】宿敵との負けられない戦い。李正侑が語る「淀の3200m」の行方~「払い戻しはこちらへ」~

「おい、携帯の音消しやがれ、集中できねえ」  煮詰まっているっつうのに、俺のアジトには今日も呼んでもいねえやつらがたくさん。  博打はぼちぼちのこの半月だったが、どうにも本業が忙しい。「本業ってなんだ?」と言われるとそれもまた難しい話になるのだが、要はその時に儲かる話が俺の本業。  こんな生き方でいつまでやっていけるのかと不安になりながらももう四十が見えている訳で、何とかしようと思えば何とかなるというのがこの国のいいところでもある。 「兄貴、あのガキの本籍調べたらやっぱり親グルだったよ」 「あの被害者、あっちの詐欺にも引っ掛かってるんだって」 「手付けでレンガくれたお医者さんいるだろ?実はもう一軒あるんだってよ」  五月蠅い五月蠅い。  俺は今それどころじゃねえんだ。  確かにしょうもねえ詐欺師の相談が俺達に寄せられる数は日に日に増えてきた。  それをきっちり回収してお気持ち頂戴っていうのも、弁護士法72条に触れていようがいまいが俺達のシノギになっているというのも事実。確かに交渉事は非弁行為になったり、債権回収がサービサー法に抵触したりっつってもだぜ?  お願いします。おうわかった。取れたぜ?ゼニ頂戴よ。これが駄目な事ってわかっていたって俺はやりてえんだ。  俺みてえなしょうもねえ生き方をしていると、他人様に「ありがとう」なんて言われることは、切り取りかました時と博打で勝たせた時、それしかねえからな。  自分自身の尊厳を傷つけられた時。それに、依頼人から仕事をもらった時。それ以外に俺は他人を傷つけたりしたくない。
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ヒートアップする馬券対決で一触即発
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