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【皐月賞】一筋縄ではいかない牡馬クラシック第一戦を、李正侑が一刀両断するレース展開とは?~払い戻しはこちらへ~

 コロナ禍が暗い雲のように世間を覆っているが、驚くほどに無風の俺達。  基本的に毎日博打さえしていれば幸せを感じてしまうような人間だから、公営競技が中止にでもならない限りはたいして影響を感じないんだよな。  確かに、本場もそうだが場外の売り場がないのは寂しい。  貧乏性の俺は、使わなければ損とばかりにケチャップとマスタードをかけたフランクフルトや、舌が痺れるくらいに七味唐辛子をどっさりとかけたモツ煮を肴に、体に悪そうな色をしたライムサワーを飲みながら馬券を買うのが好きだった。  新宿だと知り合いにあったりして集中が出来ないもんだから、遠出して浅草か、車で十分くらいの水道橋に行くことが多い。  上野の方に用事があって、車でその後楽園WINSがある水道橋を通ったが人が全然いない。土日になると通り沿いの階段に座り込んでいたおっさん連中もどこへ行ったもんだか。  お上が景気対策にゼニをばら撒くって話になってから、悪い連中はハコの名義人社長や、架空の従業員を探していて、道端のおっさんらも連れていかれちまっているのかもしれないな。  思えば、新銀行東京で乞食の名義でも不正融資がガンガンに出た時や東日本大震災の後しばらく、無料低額宿泊所が流行った時もそうだった。  心は純粋なのにペテンが弱いおっさんらは、甘い言葉に誘われていつもどこかへ連れていかれてしまうんだ。

純ちゃんが頼まれた遺品整理の内容

 上野の用事というのは、なにやら出所のあやしい高級時計が大量に入荷したとのことで、断り切れずに付き合いで見に行っただけの話。  話の出元は例によって顎回しの純ちゃんだった。借りがある仲間からの頼まれ事で、何人か客を連れて行かないと顔がないから助けてくれとのことだ。  昭和通り沿いの御徒町と上野の間くらいにある雑居ビルの前で路上駐車をすると、そこにはキョロキョロしながら純ちゃんが落ち着かない様子で立っていた。 「どうせ盗品かなんかだろ?もう中にモノはあるのかよ?」  俺がそう言うと、純ちゃんはにやにやしながら否定する。 「違う違う、マル盗なんか李くんに紹介しないって。これはある資産家の方が亡くなっちゃってさ、それであの~遺品整理? それを俺が頼まれたってワケ」  一体どこの資産家が住所不定無職のチンピラに遺品整理を頼むと言うのか。  だが聞いたら野暮ってこともあるし、まあ付き合いみたいなもんだ。安いのひとつかふたつ買ってやればいい。そんな気持ちで中に入った俺は想定外の光景に驚いた。まさか値札が付いたままとは。 「おいおい、パクリもんだってことを少しは隠す努力してくれよ」  結構良い時計もあったが、さすがに気味が悪くて買いにくい。そのまま帰るのも悪いから、足が付かなそうなダミアーニのネックレスを20万で買って俺は退散した。 「新宿戻るんだろ?俺も乗せて行ってよ」  悪びれない様子のこの腐れ縁の男を乗せて車を走らせると、もう日が沈みかけていた。
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「何を買っても当たる」無双状態
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