コロナ疲れ、イライラする息子が心配な母親へ佐藤優のアドバイスは…
スペイン風邪と比べると新型コロナの致死率は低いです。しかし、日本国民の心理に与える影響は致死率に比例しません。怖いのは沈静化したと思われた感染症が再流行することです。
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一九一九年七月には下火になったかにみえた。だが、一九一九年一○月下旬から翌年春にかけて二回目の流行(後流行)がはじまった。(中略)流行は全国に拡大していった。
政府の公式記録である、内務省衛生局(厚生労働省の前身)が一九二二年に編纂した『流行性感冒――「スペイン風邪」大流行の記録』によると、一回目の流行では、死亡者数二五万七三六三人、患者の死亡率は一・二二%だった。二回目の流行では、死亡者数一二万七六六六人、患者の死亡率は五・二九%に上がった。当時の日本の人口は五六六六万人であり、一回目の流行だけでも人口の三七・三%が感染したことになる。
国内の感染者数は二三○○万人を超えや死者の合計は三八万六○○○人に達した。ただ、この数字は一部府県のデータの欠落があり、人口学者の速水融・慶應義塾大学名誉教授は流行時に死亡率が平年より高くなる「超過死亡」から計算して、死亡数は四五万人にのぼるとしている。(前掲書217頁)
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スペイン風邪のような事態を防ぐために政府と国民が一体になって新型コロナ対策に全力を尽くさなくてはなりません。コジコさんも極力、息子さんを家の中に留まらせるようにしましょう。ゲーム依存症になる危険性がないのならば、タブレット端末でアニメなどを見ていても構わないと思います。
新型コロナウイルスが付着している可能性があるので、遊具には極力触らないように注意すれば、公園で遊ぶことには問題ありません。もっとも、ほかの子供と接触して、感染するリスクも完全には排除できません。現状ではさまざまな工夫をしながら、息子さんの感染を予防するという選択をとるしかありません。
★今週の教訓……怖いのは沈静化した感染症の再流行です’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
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